フランス、パリに留学を考えていらっしますか?
この記事では私の実体験を通して、1年間のフランス留学でかかった費用と費対効果を高めるポイントについてお伝えしたいと思います。
一年間のフランス留学(パリ)でかかった費用とその内訳
まず、1年間の留学費用を、おおまかに算出してみました。
総額は約194万円-住宅補助24万円。合計で170万円となりました。
航空券 | 80,000円 | 1年OPENチケット |
---|---|---|
滞在費 | 720,000円 | 寮/1日2食付き |
交際費 | 240,000円 | おおよそ月2万円 |
語学学校 | 400,000円 | 12週間 |
大学学費 | 250,000円 | ソルボンヌ文明講座コース |
旅行費 | 250,000円 | 周辺国へ4回 |
合計額 | 1,940,000円 | - |
※価格は日本円に換算したおおまかなもの。為替変動や物価変動があるため現在の費用とは異なります。
この後解説していますが、私は留学生でも使えるアロカシオンという住宅補助制度を使い、フランス政府から住宅補助をもらっていました。
これが1カ月、約20.000円×12ヶ月。これはかなり助かりました。
現地に留学した人しか知らないおすすめの節約術
上記の通り、私の場合200万円前後の費用がかかりましたが、フランス留学を出来るだけ抑えるためのアイデアを2つ紹介します。
1)滞在費は住宅補助で年間24万円の節約!
まず、滞在費用を抑えたければ寮がおすすめです。ホームステイや一人暮らしよりは費用を安く抑えることができます。
そしてフランスにはアロカシオンという住宅補助制度があります。留学生であっても、留学期間が半年以上であること、一定以上の収入がないこと等の条件を満たせば受給することができます。
受給額は支払う家賃などの条件により変わりますが、私は毎月約2万円ほどの補助を受けていました。年間約24万円の節約になりますので申請することをおすすめします。滞在先により適用されない場合もあるため契約前に確認しましょう。
2)学校選びが費用にそのまま反映されます!
また、どのような学校を選ぶかにより留学費用は大幅に変わってきます。
目的にもよるので、ここはケチらないという考え方もかるかと思いますが、学校によっても学費は大きく変わってきます。
具体的に言うと講義形式の授業を大人グループ数で行っている学校を選べば費用が抑えられます。
ただしきめ細やかなサポートが受けられないことや授業についていけないこともあるので、ある程度語学力がある方におすすめです。
語学力のない状態で渡仏するのであれば、少人数で会話形式の授業を行う学校のほうが安心です。費用は高いですが少人数のため会話する機会が増え語学力が向上します。
学校の選択は留学の充実度を大きく左右する大事なポイント。目的やご自身の性格に応じて慎重に検討しましょう。慣れてきたら費用の高い学校から、安い学校に移ることも選択の一つです。
フランス留学の費用対効果を高める3つの方法
ここからは費用を安くするというより、フランス留学をより充実させるための私のおすすめ体験談です。
その1:英語とフランス語両方を習得!
英語とフランス語はせっかくなので両方、学びましょう!
パリなので、フランス語は当たり前ですが、英語を使う機会も多々あります。
私の場合、渡仏する前の英語スキルは英検3級ほど。しかし、留学中に知り合った友人と毎日英語で会話するうちに日常会話ではほぼ困らないほどの英語力が身につきました。
フランスは英語を話せない人が多いと言われていますが、年齢制限がある寮では若い世代が集まっていることもあり、英語を使用することが多かったです。
私の滞在していた寮でも、フランス地方都市からパリの大学に通う大学生や各国の留学生が多くフランス語と英語を交えての会話が主流でした。
おかげで帰国後は外資系の企業でアメリカ人上司との会話で困らないほどに。もちろんフランス語で会話する機会も多くあったので、フランス語力も同様に向上しました。留学中は工夫次第で多くの国の人と会うことができます。よりよい友人関係を育むことで2カ国語の習得も可能となります。
中国企業アリババ創始者のジャック・マーも12歳から9年間毎朝近所のホテルへ通い外国人の観光案内をすることで英語を習得したそうです。
特に、寮滞在であれば多くの国の方と話すチャンスがあります。食事つきの寮を選択した場合毎日の食事でさらに会話が広がるでしょう。
その2:無料の美術館や博物館で文化や芸術を学ぶ
パリには無料の美術館や博物館があります。これらを利用すれば無料で文化や芸術を学ぶことができます。なかでもパリ近代美術館はピカソ、ユトリロ、マティスの作品を収蔵しています。無料とは思えない傑作ぞろいです。
無料の美術館、博物館(常時)
- プチパレ
- パリ市立近代美術館
- コニャックジェイ美術館
- フラ ゴナール香水博物館
- ロマン主義博物館
このほかにも第1月曜日が無料となる美術館、博物館があります。月に1度の無料日は混雑しますが、人気の美術館が無料で入場できるのでおすすめです。
第1月曜日が無料となる美術館
- オルセー美術館
- オランジュリー美術館
- 国立近代美術館ポンピドゥー・センター
- クリュニー中世美術館
- ピカソ美術館
- ドラクロワ美術館
- ギュスターブ・モロー美術館
- ギメ美術館他
私がピカソを代表とするキュリズムやギュスターブ・モローの絵画に詳しくなったのも、美術を専攻している友人から詳しい話が聞けたことや、いつでも気軽に絵画を鑑賞できる環境のおかげです。
また映画のチケットも日本より割安で、料金は約1000円前後。学生証を持参すれば学割も適用されます。
カルチェラタンには名画座がたくさんあり、名画はロードショーよりさらに割安に。映画を勉強している友人と1日で5本の映画をはしごしたこともありました。オペラやバレエも身近に鑑賞でき日本に比べ料金も割安なため、芸術にふれる機会が多いです。
その3:ヨーロッパ周辺国を格安で旅行する
留学中に周辺の地域や国を旅行することも留学の醍醐味の一つです。
私もフランス滞在中TGVというフランスの新幹線を使い、国内や周辺国を何度も旅しました。TGVを使うとなんとパリからロンドンまで3時間で行くことができるのです。
また18歳から27歳までの方であれば「Carte june(カルトジュンヌ)というカードを作ることをおすすめします。50ユーロでこのカードを作っておけば割引料金でTGVを利用できます。割引率も高くおすすめです。
TGVMAXというものもあり、月79ユーロでTGVMAX対象の座席を利用することができます。これらを利用すればさらにお得に旅することができます。
地続きのヨーロッパなら日本からの旅に比べ時間も費用も節約できます。留学中にかかった費用には4回の周辺国への旅費も含まれています。旅をすればするほど留学の費用対効果は高まるのではないでしょうか。
その4:食費を節約、B級グルメやアジア料理店を利用しよう
日本に比べ外食費の高いパリですが、B級グルメを利用すればランチを1000円以内に抑えることができます。店内で食べることも、テイクアウトもできるので状況に応じて選択することも。パリで定番の2つのB級グルメをご紹介します。
ファラフェルサンド
イスラエルのサンドイッチ。豆で作られた丸いコロッケが、たっぷりの野菜と一緒に平たいピタパンに挟まっています。肉はつかわれていないのに、かなりボリューミー。
ケバブサンド
日本でもおなじみのケバブサンド。パリではトルコ風、ギリシャ風、アラブ風さまざまなケバブが味わえます。ピタパンのほかフランスパンやパニーニでケバブを挟んでいるものも。ポテトが入っていることが多いのでボリュームたっぷりです。
この他にも本場パリならではのクレープやバケットサンドもあります。これらのB級グルメを片手にセーヌ河沿いを散策するのもパリならではの楽しみです。
また学食やアジア系レストランは比較的安くておいしい料理が食べられます。中でも元植民地だったこともありフランスと関係性の深いベトナム。パリには質の高いベトナム料理店が沢山あり、コスパがいいです。滞在中ぜひベトナム料理店に行ってみてください。
まとめ~果たしてフランス留学の費用対効果は?~
1年間で170万ほどの費用がかかったパリ留学。2カ国語を習得し、文化や芸術を学び、周辺国へ何度も旅行しました。費用を上回る効果があったと私は実感しています。
また留学中さまざまな分野を専攻している人と知り合いました。カメラマンや映画監督、スタイリスト、美容師、画家、作家、音楽家、歌手。志望している職業は十人十色ですが彼らの話を聞くことで将来の職業の選択肢が増えます。当時出会った友人たちは現在ヨーロッパやアメリカ、カナダ、アジア、世界各地に住んでいます。彼らの活躍は日本で生活を送る私に多くの刺激を与えてくれています。
さらに彼らとの出会いにより視野も広がります。視野が狭くとも困らないと思われる方も多いかもしれません。しかし現在のように時代の変換機において広い視野を持つことは変化に対応する上で大きな助けとなります。
もしあなたが留学してみたいと思われているなら、思い切って日本から飛び出してみることをおすすめします。
まだ見ぬ素敵な仲間と過ごすかけがえのない時間が待っているはず。留学が与えてくれるものは想像以上に素晴らしいです。そしてポイントを意識して滞在すれば費用対効果も高められるはずです。