日本でアートを学ぶとなると、美大や専門学校などどうしても特殊な分野として限られてしまいますよね。その点、アメリカではより広く、より気軽にアートを学ぶことができるため、アメリカアート留学という貴重な体験は、その後の可能性を大きく広げることができるチャンスにもなり得ます。
アメリカアート留学は、作品制作の技術だけでなく、現地の文化やアート、その国のアーティストの表現法や考え方直接に触れることができる「言葉ではない言語」をも学ぶ留学スタイルでもあり、グローバルな感覚を磨くことができる人気の留学なのです。
１．アメリカアート留学で学べる分野と留学の条件
アメリカのアート留学が人気な理由のひとつに、学べる分野がとても多いことが挙げられます。言わば「アートとデザインが融合したアメリカならではの分野」とも言えましょう。
アメリカアート留学で学べる分野
アート留学で学べる主な分野として、デッザンや絵画、彫刻、版画、写真など媒体を使って感性や思想を表現する実技と理論を学ぶアート（Fine Arts）、古代から現代までのアート展開を学び、分析、批評を主とするアート史（Art History）、ビジネスにつながりやすいグラフィックデザイン、英術施設、団体の経営や運営を学ぶアート運営（Art Administration）、心身のリハビリや療養をメインにしたアートセラピー（Art Therapy）などが挙げられます。
アメリカアート留学の条件
基本的な条件は高校を卒業した人となります。アートのバックグラウンドは各学校によって求めるレベルが異なっていますが、美大やアート単科大学などは選考やオーディションを行なう学校が多いため、最低限のアートバックグラウンドは持っておくとベターです。
気になる求められる英語力ですが、実はアメリカの大学に正規留学するケースと同等の英語力を条件として、一定のTOEFLスコアを提示しているアートスクールがほとんどです。「アートを学ぶのだから英語はあまり必要ない」と思われがちなアート留学ですが、これは大きな間違い。アメリカにアート留学を決意したら、まずはTOEFLを受験するなど英語の勉強を始めることをおすすめします。
また、自身のアピールポイントなるポートフォリオはとても重要になります。ポートフォリオを準備できるアートスキルは出願時期には身に付けておきたいところです。選考審査、オーディションにはポートフォリオ提出が必須の学校が多いので、志望校のホームページやカタログを確認するようにしましょう。
２．総合大学とアート単科大学、専門学校のどこを選べばよいか？
アメリカへアート留学を希望したら、まずは留学先となる志望校を絞り込むことから始めましょう。先にアメリカは芸術に対して大変大らかに受け止めでいるため、気軽にアートを専攻、学べることが最大の魅力です。
総合大学やリベラルアーツカレッジでアートを選択した場合の最大の魅力は、自分のアートスキルの応じて講義を受講することができ、BA、もしくはBFAの学位を取得すれば、大学院で修士課程、博士課程へと進むことにより、さらにアートを深く研究することができるチャンスが広がります。
アート単科大学、もしくは総合大学の芸術学科の場合は、日本の美大に相当するため出願時に提出するポートフォリオのクオリティーには高いものが求められる場合がほとんどです。選考審査やオーディションに通過してこそ入学ができるアートの専門大学であり、BFAの学位取得後はプロのアーティスト、大学院への進学によりより専攻するアート分野を極めていくことが可能です。
アート専門学校には短期留学から受講可能な多彩なプログラムがあり、気軽にアート留学できることが大きな魅力です。語学学校に通いながらアート専門学校に通う留学スタイルも人気となっています。
３．期間別の留学費用とおすすめの留学期間
アメリカのアート留学の留学期間は人それぞれで、入学する学校によっても留学期間は変わってきます。総合大学やアート単科大学のように大学卒業までとなるとほぼ４年間の留学期間となり、アート専門学校になると半年~最長２年程度の留学期間となるようです。
できればアメリカアート留学の証明にもなるディプロマや修了証を取得できる期間がおすすめです。平均的に１年～２年間が多いようです。
また、気になる留学費用ですが、アート単科大学や芸術学科に在籍する場合は一般の大学留学よりも高めの留学費用になるようです。しかし、作品制作に必要な画材や消耗品、機材のレンタル料などは別途となるので、留学費用は余裕を持って準備することをおすすめします。
半年の場合
語学留学も兼ねたアート専門学校へのアート留学費用は、学費のみで約US$10,000～、大学の場合は学費US$5,000～US$21,500となり、生活費を最低US$6,500～と見ておくと良いでしょう。
1年間の場合
アート専門学校の場合は約US$20,000～、大学の場合はUS$10,000～US$4,300、アート大学の場合はUS35,000～となっており、生活費としてUS$13,000～となります。
2年の場合
アート専門学校の場合は約US40,000~、大学の場合はUS$20,000～US$8,600、アート大学は約US$70,000~となり、生活費もUS$26,000～程度となります。
それ以上の期間となる大学へのアート留学の場合は、別コラム「アメリカの大学留学費用について【期間別の概算費用と奨学金情報】」を参考にしてみましょう。また、生活費は留学先の都市によって編粗動することが多いため、都市部になればここでご紹介した額より高額になる場合があります。
４．アメリカアート留学におすすめの都市とおすすめ校は？
アメリカアート留学におすすめの都市は、やはりニューヨーク、ロサンジェルスの２大都市です。すでにアート留学に人気の都市ですが、全米屈指のアート分野の名門校が集まっているからに他なりません。
①ニューヨークのおすすめ校
ニューヨークでアート留学におすすめ校は、ニューヨーク大学、パーソンズ大学、そしてSVAの愛称で有名なSchool of Visual Artsでしょう。その名の通りイラストやCG、アニメーションといったビジュアルアーツの学科が充実しており、アート分野で活躍するデザイナーやアーティストを数多く輩出しているアート有名校です。
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②ロサンジェルスのおすすめ校
ロサンジェルスのおすすめ校は、全米最高峰のレベルを誇る南カリフォルニア大学やUCLAデザインメディアアーツスクールといったアートの名門校の人気が高く、日本からも多くの美大生が留学している大学として注目されています。
５．アメリカアート留学する流れ
アメリカアート留学する流れは、その留学スタイルによって異なります。出願時期、申込時期も異なるので、志望校のホームページやカタログ、留学エージェントなどに問い合わせて確認するようにしましょう。
先にも述べたように、アメリカのアート留学には英語力は欠かせません。出願の１年前頃からTOEFLを受験するなど英語力のアップに図っていきましょう。また出願理由として志望理由をアピールするエッセイや推薦状の提出を求める学校もあるので、その準備も出願時期に合わせるように準備していくと良いでしょう。
ただし、アート留学するためにはポートフォリオの提出が必須となることが多いので、アート留学を決めたらポートフォリオ製作も同時にスタートさせましょう。選考審査やオーディションでは、技術面だけでなく創造性やオリジナリティといった表現面、さらには将来性も審査対象となるためポートフォリオのクオリティーによって合否が決まると言っても過言ではありません。
出願先が超有名難関校になれば、さらにハイクオリティーのポートフォリオが求められるようになります。しっかりしたポートフォリオを製作できるよう早めに万全の準備を始めてみましょう。
