ポルトガルのワーキングホリデー情報【ビザ申請・費用・準備まで】

ポルトガルのワーキングホリデー情報【ビザ申請・費用・準備まで】

ユーラシア大陸最西の国ポルトガルは、歴史的にも日本と深くつながりがあり、食べ物や文化など影響をうけた部分も大きいです。

2015年には日本とポルトガルへのワーキングホリデーが開始したことから、これからポルトガルに向かう人も増えるかもしれません♪ポルトガルのワーホリについての情報を詳しく解説していきます。

1.ポルトガルでワーキングホリデーをする魅力とは?

ポルトガルのワーキングホリデーは、2015年に開始したばかりですし、日本ではまだまだ観光地としてもあまり知られていません。しかし、ポルトガルには、私たちがあまり知らないだけで、たくさんの魅力で溢れています。ポルトガルに行きたくなる魅力を10個にまとめて紹介していきます。

①日本人の口にあう食事

歴史の中で、ポルトガルと日本は外交が盛んだった時代もあり、ポルトガルから伝来してきた食べ物もいくつかあり、馴染みのあるお菓子では、エッグタルトやカステラ、ボーロなどがあります。ポルトガルは海沿いなのでタラやタコなどの魚介を使った料理も豊富で、日本人の舌にもあいやすいです。B級グルメとしてはポルトガル語で、フランスの女の子を意味するフランセジーニャが有名です。

②ポルトガル語が学べる

ポルトガル語はポルトガルだけではなく、ブラジルなどでも使われており、世界でも10位以内に話される言語となっています。また、スペイン語とも近いのでポルトガル語がわかればスペイン語圏の方ともコミュニケーションがとれるとされている便利な言語です。ワーキングホリデー終了後も、ポルトガル語がわかれば、その後の就職に役立つ可能性もあります。

③物価が安い

ポルトガルの物価はヨーロッパの国々の中で低い方なので住みやすく、ワーキングホリデーにはピッタリの国です。

④ほかのヨーロッパへもアクセスしやすい

ヨーロッパの端っこにあるポルトガルは、ほかの国へのアクセスもよいです。とくにお隣のスペインまでは、飛行機だけではなくバスや電車でも行くことができます。

⑤サッカー好きにもおすすめ

ポルトガルはサッカーでも強豪であり、ワールドカップにも出場経験があります。ポルトガルで育った選手が、ほかのヨーロッパの強豪国へ移籍することもあれば、反対にほかの強豪国から移籍して活躍するケースもあるようです。

⑥ワインが有名

古くからぶどうの産地としても有名なポルトガルは、リスボンを拠点として、ワインの産地としても有名です。日本でも飲みやすいと人気のあるポートワインも、もともとはポルトガルが発祥の地となっています。

⑦景色がよく観光名所が多い

坂が点在するエリアが多いポルトガル、リスボンやポルトなどでは街が歴史地区となっており、坂の上から見た街の景色は格別です。建物はオレンジの屋根で統一されています。また、日本ではあまり知られていないかもしれませんが、じつはポルトガルは観光名所が多いことでも有名です。とくにおすすめの都市は下記の通りです。

リスボン
ポルトガルの首都であるリスボンは、街並み自体が美しいです。中でもベレン地区と呼ばれている場所は、現代と伝統的な建物が混在しており、世界遺産となっているジェロニモス修道院やベレンの塔も有名です。

ポルト
ポルトガルの名前の由来となった都市でもあり、街の中には歴史地区として世界遺産になっているエリアがありますので街を歩くだけで、楽しいです。また、壁に描かれた絵が美しいサンベント駅や、豪華な装飾が美しいサン・フランシスコ教会も見どころです。そのほか、ポートワインの製造でも有名な街なので、ワイン工場の見学ツアーなんかもおすすめです。

アゲダ
アゲダといえば、7~9月に芸術祭が毎年行われ、傘のアートフェスティバルが有名です。これは2012年からはじまり、建物と建物の間にある空に赤、黄、緑、青などカラフルな傘が何千本も、路上の青空を覆いつくします。メルヘンチックでかわいい雰囲気なので、ワーキングホリデー中にぜひ訪れたいところです。

アヴェイロ
ゴンドラが浮かぶ水の都アヴェイロは、イタリアのヴェネツィアと似たような雰囲気があります。建物もパステルカラーでかわいいです。

シントラ
昔王室の避暑地としても使われたシントラでは、王宮や宮殿が現代でも保存状態よく残されています。世界遺産として登録もされているため、常に観光客でにぎわっている印象です。

⑧音楽が好きな方はファドを聞こう!

ポルトガルには「ファド」と呼ばれる独特の音楽があり、レストランやバーなどできくことができます。ファドは哀愁漂うものから、明るいものまでさまざまで、日本でいえば演歌、フランスで例えるならシャンソンのようなものです。日本ではなかなか聞くことができないので、ポルトガルに来るならばぜひ一度はきいてみたい音楽です。

⑨人が優しく治安もよい

ポルトガルはフレンドリーな人や優しい人が多いです。お隣のラテン系のスペイン人は明るい人が多くにぎやかなイメージですが、ポルトガル人は控えめな印象なので日本人としては親近感が持ちやすいかもしれません。

また、ヨーロッパの中でも治安がよいポルトガルは、女性の1人旅でも安心できる国です。さすがに深夜の1人歩きはすすめませんが、夜もにぎやかな場所が多いので安心感があります。

⑩気候が穏やか

太陽の国ともよばれているポルトガルの気候は温暖で、あまり雨も降りません。冬も日本の冬よりは気温が高いので、日本人にとっても住みやすいでしょう。

2.ポルトガルワーキングホリデービザ申請について

この章では実際にビザを申請するときの条件や申請方法、必要書類などについてみていきます。

ビザの概要と条件

基本情報

協定開始時期 2015年から
定員 なし
年齢 18歳~30歳
ワーキングホリデー期間 1年間(現地で要延長手続き)
就労期間 制限なし
就学期間 制限なし
入国期間 とくになし
申請料 無料
申請から発行までの期間 1ヵ月ほど

ビザ発給条件

  • 主な目的がホリデーを過ごすことである者
  • 申請時に日本に住んでいる者
  • 18歳~30歳以下の健康な者
  • 日本国籍のパスポートを所有している者
  • 犯罪歴がない者
  • 今までポルトガルのワーキングホリデービザを取得していない者
  • 滞在中の十分や生活費を証明できる者
  • 片道航空券で入国する場合は、帰国用の航空券を購入できる十分な資金を持っている者
  • 滞在許可を得ていない子供を同行させない者
  • ワーキングホリデーの期間中に万が一、病気や事故などに遭遇した場合に保障される海外旅行保険に加入している者
  • ワーキングホリデーの目的以外でビザを取得しない者
  • 滞在期間終了後はポルトガルから速やかに出国する者

申請方法はどうやるの?

必要書類を持ってポルトガル大使館で、無料で申請できます。行く前に電話やメールで予約が必要なので注意しましょう。混み合うことがあるので、早めに予約して(1ヵ月前から可)おくのがおすすめです。

ビザ申請の必要書類については、用意するものがほかのワーホリ協定国に比べて多いので気をつけましょう。書類に関して指定がないものはポルトガル語または英語で作成、または翻訳をつける必要があります。大使館で、1枚7500円ほどの手数料で翻訳をしてもらうことも可能です。

ポルトガル大使館(領事部)

所在地 102-0083 東京都千代田区麹町3-10-3神浦麹町ビル4階
Tel (03) 5226-0614
email consular@portugal.jp.net
受付時間 平日9:30~12:30

必要書類

  • 申請書(大使館のサイトからダウンロード)
  • 犯罪有無を確認する要請書(大使館のサイトからダウンロード)
  • 宣言書(大使館のサイトからダウンロード)
  • パスポート(1年以上の有効期限があるもの)の原本とコピー
  • 証明写真
  • 海外旅行保険の加入を証明できるもの
  • 滞在中の生活資金を証明できる英文の預金残高証明書
  • 往復航空券
  • 英文の健康診断書(健康であることが証明されているもの)
  • 犯罪経歴証明書
  • レターパック510(あとでビザを郵送で受け取る方)

海外旅行保険について
病気やケガだけではなく、緊急治療や日本への送還費用を含んだ保障が必要となってきます。

預金残高証明書について
16000ユーロ(※2017年12月時点で213万円以上)の預金残高証明書が必要になります。金融機関の窓口で1通につき、300円~1000円ほどの手数料でその場で発行してもらえます。申し込み時に英文で発行してほしい旨を伝えましょう。

往復航空券について
片道航空券でもビザの申請は可能です(Eチケットを印刷したものでOK)。その場合は預金残高証明書に帰りの航空券購入分を上乗せして、230万円以上を目安に申請しましょう。

犯罪経歴証明書
犯罪経歴証明書は住民票を置いている、住所地を管轄している県警本部で申請します。申請にはパスポートと運転免許証、なにで使うのか証明できるように、ワーキングホリデーの申請書などを持参するとよいでしょう。運転免許証がない方は、住民基本台帳カードや半年以内に発行した住民票を代わりにもっていきます。

犯罪経歴証明書は3ヵ月以内に発行したものが必要になり、発行までは1週間~2週間ほどかかります。犯罪経歴証明書が発行されたあとは、外務省でアポスティーユ証明と呼ばれる、この文書は本物であるという証明をしてもらう必要があります。外務省での証明に関してはだいたい1~2日くらいです。

レターパック510
遠方からお越しの方や大使館の開館時間に再び来ることが難しい方は、レターパック510を申請時に提出し、郵送でビザを受け取ることができます。レターパック510は郵便局(コンビニでも取り扱っている店もあり)で購入できます。

申請に関して詳しくはこちらへ
ポルトガル大使館

3.日本で準備すべきこと

語学学校の申し込み

語学学校の相場としては、1ヵ月で7万~15万円前後といったところです。ポルトガルで仕事をみつけるなら、ポルトガル語は必須となりますので、すでにポルトガル語が堪能でない限りは語学学校を予約しておきましょう。

語学学校によっては寮付きのところもあるので、最初の滞在地としておすすめです。語学学校を探すならポルトやリスボンといった都市部が探しやすいので、まずは専門の留学カウンセラーやエージェントに相談してみましょう。

また、学校ではポルトガル語でポルトガル語を学ぶことになるので、文法や単語、文字の読み方など基礎的なことは日本で学習しておきましょう。ポルトガル語はローマ字読みする音も多く、日本人でも学習しやすいとされていますので、意外と英語よりも覚えやすいかもしれません。

航空券の予約

日本からポルトガルへは直行便がありませんので、必然的に経由便となります。ポルトガルは、シュンゲン協定の加盟国でもあるので、ワーキングホリデー前に、ヨーロッパ旅行をして入国するのもおすすめです。航空券は格安航空会社を使ったり、繁忙期を避けるようにすれば10万円未満でも購入できますが、相場としては13万円前後といったところでしょう。

シュンゲン協定とは
EU加盟国内で近隣の国への移動をスムーズにするための条約です。180日の中で、90日以内ならば協定内の国をいくつか訪問する場合最初の協定国と最後の協定国のみで入国審査、出国審査が行われ、途中の国では省略されるので、時間や手間が節約されます。

しかし、180日や90日の期間にはワーキングホリデーの期間も含みますので、ポルトガルでこれらの期間をすごしたあとは、ほかの協定にいく際には事前に問い合わせて国によってはビザ申請をするか、協定外の国で180日以上過ごす必要があります。

海外旅行保険の加入

ポルトガルではワーキングホリデー滞在中に万が一の病気やケガといったケースに備えられる保険に加入する必要があります。海外旅行保険の相場としては、1年間で20万~25万円くらいです。クレジットカードの付帯保険は3ヵ月が最長となっているものが多く、1年の期間までは補えないので、民間の保険会社に加入するようにしましょう。

用意すべきお金について

ワーキングホリデーをする際にはビザ申請の段階で、どの国でもしばらくの生活費がまかなえるほどの資金証明が必要となっています。多くの国では、20~30万円と100万円以下がほとんどですが、ポルトガルにいたっては、16000ユーロと日本円換算で200万円以上の証明が必要とされ、おそらく協定国の中でも一番大きいのではないかと思われます。しかし、200万円の資金があれば、1年間物価の安いポルトガルで安心して暮らせることでしょう。

情報収集

ポルトガルに関する情報はインターネット上でも、まだまだ少ないですが、できるだけ収集するようにしましょう。できればすでにワーキングホリデーをしている方のブログなどが一番参考になります。質問があればメールでコンタクトをとってみるのもよいでしょう。見つからなければ留学や、結婚してポルトガルに住んでいる人のブログなども参考になります。

持ち物について

変換プラグとタコ足コンセント
変換プラグを2個ほどと、3つや2つの電化製品をつなげる、タコ足コンセントもあると便利です。変圧器が必要な電化製品がある場合は、変圧器も持参が必要ですが、荷物になるのでできれば海外対応の電化製品がよいでしょう。

ガイドブック
ポルトガルのガイドブックは日本製のものが見やすくておすすめです。必要なページだけPDFにしたり、切り取ったりすれば軽くできます。また、インターネットから必要な部分だけダウンロードや印刷をしておいてもよいでしょう。

UVケアグッズ
ポルトガルは陽射しが強い国なので、日焼け止めやUVカットをしてくれる薄手の羽織物などがあればよいでしょう。サングラスは必要性があれば現地でも安く購入できます。

チェーンロックとS字フック
旅行時の荷物管理や荷物かけなに活躍します。


ポルトガルの暑い時期はリゾート地の海に出かけるのもおすすめ、試着がしにくい水着は日本から持参がおすすめです。夏服に関してはあまりかさばらないので日本から持参しても、現地で購入どちらでもよいでしょう。冬は日本に比べてあまり寒くなりませんが、寒がりな方はダウンジャケットやヒートテックなどがあればよいです。


坂道が多いので、履きなれたスニーカーがおすすめです。また、100均でも購入できるビーチサンダルは、飛行機の中やドミトリーや寮のシャワー室利用時にも活躍します。

日本食
日本の調味料や日本食は高いので、持ってこられるものや送れるものは持参がおすすめです。日本のお菓子などは、ホームステイ先へのおみやげや現地で出会った友達へのプレゼントとしてもよいでしょう。

クレジットカードや国際キャッシュカード
クレジットカードや国際キャッシュカードは、VISAとMastercaed、アメックスなどブランドの違うものを2~4枚持参がおすすめです。

各種書類のコピーや証明写真、履歴書など
日本にいる間にポルトガル語で履歴書のテンプレートを作成しておくとよいでしょう。証明写真やパスポートやビザ、クレジットカード、航空券、海外旅行保険などの重要書類は万が一の紛失、盗難、提出に備えていつくかコピーを持っているとよいです。

文法書
日本語で書かれたポルトガル語学習用の文法書は、現地でなかなか手に入らないので、読みやすいものを1冊、日本から持参しましょう。

SIMフリーのスマートフォン
現地でSIMカードの契約をすれば、電話番号を取得できます。

そのほか持参するのにおすすめなもの

  • 常備薬
  • 化粧品
  • 裁縫セット
  • カメラ
  • パソコンまたはタブレット
  • 電子辞書
  • 爪切り
  • 耳かき
  • ノートや筆記用具といった文房具

 

4.現地ではどんなことが待っている?

学校

就学制限がないので、最初の予定よりも延長したい場合は、学校によっては延長も可能ですし、学校に行きながら働くことも可能です。グループレッスンだけではなく、コースによってはマンツーマンが可能な学校もあるので、自分に合った学習方法で学ぶとよいでしょう。

仕事

1ヵ月のポルトガルの最低賃金は7万円ほどです。ポルトガルでは労働に関する法律がしっかりとされており、労働時間は週に40時間とされていますし、仕事がなかなか見つからず思った以上に稼げない可能性はあります。渡航前に、あまり収入がなくても生活を補えるだけの資金を準備しておきましょう。仕事としては、語学が堪能ではなくても雇用してもらえる可能性が高いのは、ほかの国と同じく日本食レストランです。

日本食レストランでは、日本語ばかり使うのでは?と不安になる方も多いかもしれませんが、ポルトガルのワーキングホリデーははじまったばかりで、まだ知名度が少ないので日本人が少なくポルトガル人と働くことの方が多いかと思われます。

そのため、職場は働きながらゆっくりポルトガル語を学習できる場所でもあるでしょう。語学がレベルアップすれば、ツアーガイドや事務員、一般的なカフェやレストランでも働けるチャンスもあります。

住む場所を探す

インターネットで空き部屋やシェアハウスを探すことができ、家賃も安い方なので、1人暮らしでも月3万円台の部屋を見つけられることがあります。少しでも費用を抑えたい方は、シェアハウスや郊外に住むことがおすすめです。

アパートによっては家賃に光熱費や水道費などが込みになっているところと別になっているところがあるので、あらかじめ確認おきましょう。銀行口座開設時に居住地の証明が必要になることもありますので、合わせて発行可能か確認します。

現地で必須の手続きについて

滞在期間延長
ポルトガルのビザは有効期限は1年ですが、滞在期間は4ヵ月までとなっていますので、現地で延長手続きが必要となります。手続きは、期限が切れる10日前くらいから可能となっています。期限切れとなると不法滞在となるので手続きを忘れないように気をつけましょう。手続きは、入国管理局(SEF)で行うことになりますが、予約はすぐには取りにくいので、入国から3日以内にホームページまたは電話での予約が望ましいです。

納税番号の取得
納税番号の取得は、銀行で口座開設を行う際に必須となります。取得は、税務署で行うのですが、保証人や日本の居住地の証明などなにかと簡単とはいえないものが必要があります。ポルトガルで知り合いがすでにいればよいですが、当初は人脈ゼロで来る人も珍しくないでしょう。

保証人としては、ホームステイ先の家族やアパートの大家さんなどに相談してみるとよいです。日本の居住地の証明については、日本の運転免許証や住民票を大使館で翻訳して証明書を発行してもらうといった方法で大丈夫でしょうし、パスポートの住所欄を見せて通ったという人もいるようです。

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