アルゼンチンは南米最南端にある国で、チリやボリビアの隣にあります。大きな面積を持つ国で、世界的に数えてもベスト10に入る領土を持っています。
アルゼンチンの基本情報
首都 | ブエノスアイレス |
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面積 | 日本の7.5倍 |
通貨 | ペソ |
人口 | 4,341万人 |
民族 | 欧州系97%、その他先住民系3% |
言語 | スペイン語 |
独立 | 1816年 |
主要産業 | 農牧業、食品加工工業、自動車工業 |
日本との時差 | -12時間 |
電圧 | 220~240ボルト(BFタイプ、Cタイプ、Oタイプ、SEタイプがある。) |
いままで南米でワーキングホリデーができる場所はなかったのですが、今回南米初として、アルゼンチンでワーキングホリデーが開始されることになりました。
1.アルゼンチンのワーキングホリデー情報について
ワーキングホリデーは、協定国で一定の期間生活をしながら休暇を過ごし、その国の文化を楽しむことができる制度です。滞在中は仕事をしたり、学校に行ったりと比較的自由に過ごせる国が多いです。また、各国によって年齢制限や発給条件などが多少異なります。アルゼンチンワーキングホリデーの概要についてみていきましょう。
アルゼンチンワーキングホリデー基本情報
協定開始時期 | 2017年 |
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定員 | 50 |
年齢 | 18歳~30歳 |
ワーキングホリデー期間 | 1年間 |
就労期間 | 情報なし |
就学期間 | 情報なし |
申請料 | 150USドル |
ビザ発給条件
アルゼンチンのワーキングホリデービザ申請には、下記の条件を全て満たしている必要があります。
- 主な目的がホリデーを過ごすことである者
- 18歳~30歳の者
- 健康である者
- アルゼンチンのワーキングホリデービザを今まで発給されていない者
- 犯罪歴がなく犯罪経歴証明書を提出できる者
- 滞在中初期の十分や生活費がある者
- 片道航空券で入国する者は、帰国用の航空券を購入できる十分な資金を持っている者
- ビザの申請費用を支払う者
- 扶養家族を同行させない者
- ワーキングホリデーの期間中に万が一、病気や事故などに遭遇した場合に保障される海外旅行保険に加入している者
2.アルゼンチンでワーホリするメリット
自然が豊か
アルゼンチンは面積が日本の7倍以上あるだけあって、圧倒的な自然に囲まれていますので、日本とは違う景色で癒されます。観光スポットも自然の中にあるものが多く、国境付近にある世界三大瀑布の1つ、イグアスの滝は圧巻です。そのほか、アンデス山脈やぺリトモレノ氷河も有名で、ワーキングホリデー中に一度は訪れたいところです。
人が優しい
アルゼンチンの人たちは基本的に親切なので、わからないことがあれば尋ねれば教えてもらえるでしょう。しかし、治安はワーキングホリデー協定国の中でもよくない方なので、犯罪に巻き込まれないよう十分に気をつけましょう。
スペイン語を学べる
スペイン語は世界的にみて英語、中国語に次いで話す人が多いと言われていますので学ぶことによって、ワーキングホリデー後の仕事にも役立つかもしれません。また、スペイン語はポルトガル語とも近いので、スペイン語が話せることで、外国人とのコミュニケーションの幅が広がりそうです。
パイオニアになれる
アルゼンチンのワーキングホリデーははじまったばかり、しかも南米初ということで、まだまだ挑戦者は少ない状態です。アルゼンチン在中の日本人も少なく、ワーキングホリデーや滞在に関する情報もあまりないので、パイオニアになれるチャンスです。
スポーツが盛ん
アルゼンチンといえばサッカーやラグビー、テニスなどで多数の有名選手を輩出していますので、スポーツ好きの方におすすめです。また、ダンスに興味のある方は本場でタンゴを学ぶこともできます。
南米を旅行できる
アルゼンチンはボリビアやチリ、パラグアイ、ウルグアイといった国と隣接しており、日本にいるとなかなかできない南米や北米旅行がしやすいです。
ヨーロッパ文化の影響もあり
南米といえば、にぎやかさや派手さがあるイメージですが、アルゼンチンの街並みは、南米というよりもヨーロッパのような街並みが広がり美しいです。
衛生面や医療面も整備されている
アルゼンチンの首都の医療や衛生面は発達していますので、安心してくらすことができます。また、首都は衛生面の管理もしっかりとしています。
牛肉が安い
高級なイメージのある牛肉はアルゼンチンが生産、消費ともに世界一となっていますので、安く購入できます。
肉料理がおいしい
アルゼンチンは肉料理やワインが有名ですので、お酒や肉料理が好きな方におすすめです。あまり魚は食べられませんが、最近では健康志向や日本食、エスニックブームで魚を食べる人も増えてきたようです。
季節は日本と逆
アルゼンチンは日本と季節が反対で、各地域によって気候が異なりますので、日本では味わえない季節感を体験できます。
【北部】
年間を通して雨が多い傾向がありますが、日本の秋や春(アルゼンチンでは春9~11月や秋3~5月)の月には過ごしやすい気温となります。
【南部】
南部は日本でいえば北海道の気候で、夏(12月~2月)も気温は低く、冬(6月~8月)になるとさらに気温が低くなります。
【東部・西部・中央部】
9~11月や3~5月は過ごしやすい気候ですが、夏は暑く冬は寒いです。アンデス山脈よりの西部では、雨が少な目です。北より乾燥や蒸し暑さがあり、南西ならば寒さが目立ちます。
3.ワーホリビザをゲットするためにするべきこと
ワーホリビザをゲットするためには、必要書類を大使館に確認したうえで、提出する必要があります。
【必要書類】
- 申請書
- 動機の書面
- パスポート(1ページ以上の空白があること)
- 証明写真
- 海外旅行保険の加入を証明できるもの
- 犯罪経歴証明書
- 宣誓書
- 150USドルの申請料
- 滞在中の生活資金を証明できる預金残高証明書
- 往復航空券
預金残高証明書
過去3ヵ月間の普通預金口座の残高証明として、残高2500USドル以上必要になります。(日本円で30万円ほど)片道航空券で入国する場合は、帰りの航空券を買うことを想定して日本円で、50万円以上あればよいかと思われます。
海外旅行保険
万が一の際の死亡、日本への帰国費用、医療がカバーされているもので30万USドル以上の(日本円で340万円ほど)保障が必要です。クレジットカードの保険では、期間も補償費も足りないと思われるので民間の保険会社に加入するのがおすすめです。保険料の相場としては1年で20万~28万といったところです。
アルゼンチン大使館住所 | 東京都港区元麻布2-14-14 |
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ワーキングホリデーは、はじまったばかりでビザの申請に関する情報は少ないため、大使館に事前にメールや電話で必要書類について確認をしておきましょう。詳しくはこちらへ
Embajada en 日本国 (JAPÓN)
4.出発までに日本でやるべきこと
語学勉強
アルゼンチンでは、英語が通じるところもありますが、公用語であるスペイン語を話せないと仕事に就くことは難しいかと思います。日本にいるうちから、スペイン語の単語やフレーズ、文法など基本的なことを学んでおきましょう。
学校の予約
多くの方は、最初にスペイン語を学ぶために学校に行くことになると思いますが、語学学校は主に首都のブエノスアイレスに集中しています。語学学校では、同じくワーキングホリデーでやってきた人留学生に出会えるチャンスなので、1ヵ月でも通って友達を作るようにしましょう。
語学学校の費用は1ヵ月で7万~13万円くらいを目安に想定しましょう。スペイン語を集中して学ぶコースもあれば、スペイン語とダンスやボランティアが組み合わせたコースもありますので、自分にあったコースを受講して勉強します。
計画や目標をたてる
ワーキングホリデーの期間はあっという間に終わります。日本では、ワーキングホリデー=遊びに見られる会社も多いようなので、なにかしら目標や計画を立てて、行動を起こすことでワーキングホリデー後の転職にも役立てることができるでしょう。
航空券を予約する
日本からアルゼンチンまでは直行便がありません。そのため、主にアメリカで乗り継ぎが必要になり、総時間は27時間~33時間ほどと長旅です。航空券の相場は13万円~25万円を想定しましょう。
貯金を貯めておく
アルゼンチンは物価が高い傾向もあるので、できるだけ貯金は貯めておいた方がよいです。現地で働く予定がある方もいると思いますが、賃金が低いため生活費をすべて補うのは難しいでしょう。
また、ワーキングホリデーがはじまったばかりということもあり、職場を探すまで時間がかかるおそれもあります。1年間にかかる費用は個人差はあるものの、150万円~200万円以上はあった方が安心かと思われます。
持ち物の準備
物価が高いこともあり、日本の方がお得なものや質がよいもの、アルゼンチンではなかなか手に入りにくいものは日本から持参することをおすすめします。
【持参したいもの】
- 常備薬
- 服
- 靴
- 化粧品
- 裁縫セット
- カメラ
- パソコンまたはタブレット
- SIMフリーのスマートフォン
- 電子辞書
- チェーンロック
- トイレットペーパー
- S字フック
- 乾電池
- レインコート上下
- 圧縮袋
- 水着
- タオル
- 爪切り
- 耳かき
- ノートと筆記用具
- 変換プラグ
- タコ足コンセント
- 防寒具
- 洗濯グッズ
- クレジットカード
- 日本食
- 消耗品
- ガイドブック
- エコバッグ
カバンについて
カバンは、リュックは後ろから近づき物を盗まれる可能性がありますし、ショルダーやトートバッグはひったくりに合うリスクがありますので、斜め掛けなど前に荷物がくるタイプがおすすめです。
国内やほかの国も旅行するならバッグパックがおすすめで、リュックのように使うなら鍵をかけるようにしましょう。ずっと担いでいるのも大変なため、できればキャスターもついているタイプがよいです。
薬
アルゼンチンの薬は高く、しかも日本人の体質に合わない可能性もあるため、風邪薬や下痢止め、鎮痛剤など日本の薬を持参することをおすすめします。標高が高い地域に住む予定の方や、ペルーなどに旅行に行く方は高山病の薬も日本で処方してもらうとよいでしょう。
消耗品
シャンプーやコンディショナー、歯磨き粉など、最初の1週間~1ヵ月分くらいを持参し、あとは現地で購入すればよいかと思います。
日焼け止めグッズ
アルゼンチンの紫外線は強いので、紫外線を防止できる羽織物や、日焼け止めクリームを持参しましょう。
洗濯グッズ
洗濯物を干せるひもやハンガー、洗濯ばさみなどは意外とアルゼンチンで買うと高いです。洗剤は、ほかの消耗品と同様最初の1週間~1ヵ月分くらい持参し、あとは現地で購入するとよいです。
変換プラグとタコ足コンセント
アルゼンチン用の変換プラグと、3つや2つの電化製品をつなげるタコ足コンセントがあると便利です。変圧器が必要な電化製品がある場合は、変圧器も持参しましょう。
トイレットペーパー
日本ではトイレにトイレットペーパーがあるのは当たり前ですが、海外では、備えついている方が珍しいということもあります。トイレットペーパーはかさばるので1~3個持参し、あとは現地で購入するとよいでしょう。
チェーンロックや南京錠
南米は治安があまりよくないため、旅行時の荷物管理には鍵をかけて大切なものを守りましょう。
服について
日本で北海道と沖縄では気温差や気候が違うのと同じく、日本よりもさらに広いアルゼンチンでは、地域によって天候が異なるため、住む地域の気温に合わせた服を日本から持って行くとよいです。寒い地域では、日本製のダウンジャケット、使い捨てカイロやヒートテックなどがおすすめです。
ダウンジャケットやウインドブレーカーなどのアウターは、軽くてコンパクトに収納できるタイプならば、荷物にもあまりなりません。また、海に入るなら水着も現地で購入するよりも日本製の方が質がよく、サイズもピッタリなものを見つけやすいので持参した方がよいでしょう。
靴について
アルゼンチンでは家の中も土足です。普段はスニーカーやパンプスでもよいですが、スリッパやサンダルなら室内も楽かと思います。100均でも購入できるビーチサンダルは、飛行機の中やドミトリーや寮のシャワー室利用時にも活躍します。そのほか、街歩きや山道でも対応できる、スニーカーやブーツを持参するとよいでしょう。
日本食について
日本の調味料やお菓子、インスタント食品といった日本食は手に入りにくい、または、お高めなので持参した方がよいです。持参するなら体調を崩した時に食べやすい味噌汁やスープ、粉末のポカリなどがおすすめです。その時々で恋しくなるものも異なると思うので、あとで家族や友人にお願いしてほしい食材を送ってもらうというのでもよいかと思います。
クレジットカードや国際キャッシュカード
クレジットカードや国際キャッシュカード、キャッシュパスポートは、VISAとマスターカード、アメックスなどブランドの違うものを2~4枚持参(南米はVISAが一番使い勝手がよいようなので、VISA2枚+その他1~2枚)がおすすめです。
現地に到着してから使えないと困るので、海外でキャッシングが使えるか、上限額はいくらか、暗証番号を覚えているかといったことを、日本にいる間に確認しておきましょう。
各種書類のコピーや証明写真など
証明写真やパスポートやビザ、クレジットカード、航空券、海外旅行保険などの重要書類は万が一の紛失、盗難、提出に備えていつくかコピーを持っているとよいでしょう。
文法書と電子辞書
日本語の文法書は手に入りにくいので、スペイン語の文法書やフレーズ集、また電子辞書も持参するとよいです。
5.アルゼンチンの暮らしで気をつけたいこと
言葉
アルゼンチンで話されるスペイン語は独特のイントネーションがあり、聞き取れるまで時間がかかるかもしれません。慣れることが肝心なので、辛抱強くいろいろな人とスペイン語で会話してみましょう。
住まい
語学学校に行く方は寮付きの学校やホームステイを選択しながら、現地で次の滞在先を考え、費用としては、ホームステイならば1ヵ月12万円くらいを目安に考えましょう。
アパートに入居する際には、保証人や担保が必要となることがありますので、できるだけアルゼンチンに到着後、もしくはワーキングホリデービザを取得した時点で、早めに探すようにしましょう。
首都のブエノスアイレスでは物価が高いため、シェアハウスのアパートならば1ヵ月で8万~10万前後くらいの住居費が想定されます。コルトバやロサリオといった別の都市ならば住居費を安く抑えられる可能性もあります。
ブエノスアイレス
アルゼンチンの首都で、都会的、スタジアムから劇場までさまざまなものが集まっており、人口が多いため、物価は高めです。
コルドバ
街並みが美しいコルドバは、学校も多いので学生に人気の街です。ヨーロッパ調の建物も多いので、観光客にも人気です。
ロサリオ
パラナ河が流れるロサリオは、サッカー選手のメッシや革命家ゲバラの出身地でもあります。
仕事探し
2017年に国全体で最低賃金の引き上げが行われたものの、いまだにアルゼンチン人の平均給与は5万~9万ほどと低く、時給にすると300円くらいです。アルバイトなら首都のブエノスアイレスでは日系のお店もあるのでそういったところや、日本食レストランなどでは雇ってもらいやすいかもしれません。
物価について
南米の物価は高い方なので、外食するなら、2000円以上かかることもあります。そのうえでアルゼンチンの賃金は安いので、生活費を節約するためにはできるだけ、自炊することをおすすめします。高いものもありますが、牛肉のように安く購入できる食材もあります。
食材について
食料品の中には、賞味期限がすぎたものもお店におかれた状態ということも珍しくないので気をつけましょう。とくに肉製品は感染症を引き起こすこともあるので、火をよく通すようにしましょう。
水
ブエノスアイレスの水道水は一応飲めるようですが、もともとは泥水を浄化していることもあり、体質に合わない、また不安を感じる方はミネラルウォーターを買った方がよいでしょう。
治安の注意
アルゼンチンは南米の中では、治安はよい方ですが、世界的にみるとあまりよいとはいえません。観光客を狙ったスリや強盗も多く、拳銃も所持できる国なので、人混みや夜、人気のない道路の一人歩きには注意が必要です。
お店の営業時間
一般的なお店や銀行は日曜や祝日が休みで、(銀行は土曜も休み)土曜は営業しても午後2時など早めに閉店するお店も多いです。アルゼンチン人の夕食は夜8時や9時以降なので、レストランのディナーは夜8時くらいから開始となるお店が多いです。
医療費が高い
南米では黄熱病の予防接種を受けた証明があるイエローカードが入国の際に必須となる国もあります。アルゼンチンでは必須ではないものの、2008年に黄熱病患者が発生したこともあるので、できれば予防接種を受けておいた方が安心です。
アルゼンチン滞在中に万が一病院を受診することになった場合、私立の病院は設備は欧米なみに整っているものの、医療費が高いということがあるので、十分な保障がついた海外旅行保険に加入しましょう。
病院の中には事前に治療費を支払う必要があるところや、クレジットカードが使えないといったところもありますのであらかじめ住んでいる街の病院について調べておくとよいです。海外旅行保険の中には問い合わせると、日本語で対応してくれる病院を探してくれる会社もあります。