「イギリスの名門大学を目指したい。でも、ファウンデーションの授業についていける?」「数学が苦手でも大丈夫?」「大学に入った後、勉強以外の時間はある?」
大学のパンフレットだけでは見えてこない疑問を、実際にその道を歩んだ先輩に聞きました。今回お話を伺ったのは、マンチェスター大学への進学準備コース(同大学と提携するINTO Manchesterが提供)を経て、同大学へ進学し、国際開発学を学ぶSさんです。
毎日の自習、初めて学ぶ経済、サークルでの友人づくり、そして就職活動。Sさんの経験を通して、進学後の姿と、今から準備できることを具体的に見ていきましょう。
※本記事はインタビューの内容をもとに、質問と回答をテーマ別に再構成し、発言の趣旨を保ちながら読みやすい表現に整えています。体験談は取材当時の本人の経験であり、現在の全コース・全学生に共通するものではありません。制度情報は2026年10月31日に確認しました。
マンチェスター大学へ進学したSさんのプロフィール
Sさんは、ファウンデーションコースを経てマンチェスター大学へ進学し、取材時点で大学2年生として国際開発学を学んでいます。
| 進学ルート | ファウンデーションコース → マンチェスター大学 |
|---|---|
| 大学での専攻 | 国際開発学(Global Development) |
| ファウンデーションで学んだ科目 | Mathematics、Further Mathematics、Economics、英語(本人の在籍当時) |
| 学生生活での活動 | 進学準備コースのアンバサダー、日本人会の役員、バドミントンのサークルなど |
大学選びの軸は「開発学で何を学べるか」
――マンチェスター大学を選んだ理由を教えてください。
私は開発学を中心に大学を選んでいて、最終的にはサセックス大学とマンチェスター大学で迷いました。マンチェスター大学は科目の選択肢が広く、興味のある授業もあったので、学べる内容を見て選びました。
紛争を専門に扱う授業にも興味がありました。ただ、その授業は担当の先生の事情で受けられなくなってしまったんです。大学を選ぶときは授業の内容を大事にしていましたが、実際に学べる科目が変わることもありました。
開講科目は変更されることがあります。学びたい分野と履修の選択肢を、出願前に確認しておくと安心です。
マンチェスター大学の概要や入学ルートを先に知りたい方は、マンチェスター大学の概要と入学方法もあわせてご覧ください。
ファウンデーションは大変?Sさんが力を入れた勉強
ファウンデーションでは、授業外で理解を深める時間をつくり、自分の目標に合わせて学習量を調整することが大切です。
授業を受けた後、自分で理解し直す時間が大切
――ファウンデーション時代の勉強は、どのようなものでしたか?
授業が詰まっていて大変というより、授業で習ったことを自分で理解して、試験に備えるために時間を使っていました。自習は1日5時間ぐらいしていたと思います。
私は進級に必要な成績だけでなく、アンバサダーに関わる奨学金も目標にしていたので、より高い成績を目指して勉強していました。取る科目と、どこまでの成績を目指すかで、勉強時間は変わると思います。
1日5時間はSさん自身の当時の学習時間です。全員に共通する必要時間を示すものではありません。
数学よりも、初めて学ぶ経済に時間をかけた
――特に力を入れた科目はありますか?
私の場合、数学はあまり難しく感じなかったんですが、経済は初めてだったので、理解するのに時間がかかりました。自習では経済にすごく時間を使っていましたね。
英語で新しい専門分野を学ぶときは、言葉と科目の内容の両方を理解する必要があります。
「ファウンデーションは簡単か、難しいか」という一言よりも、自分が履修する科目、これまでの学習経験、目標とする成績を分けて考えると、準備することが見えてきます。
大谷入学に必要な英語力だけでなく、志望学部に進むために必要な科目と成績も確認しましょう。「入れるコース」と「目指す学部へつながるコース」をセットで考えることが大切です。
数学が苦手でも目指せる?入学前に準備したいこと
数学の準備は、志望する学位コースの必須科目を確認し、これまで学んだ内容と不足している範囲を整理することから始めましょう。
Sさんの在籍時は、テストと志望分野をもとに履修が決まった
――ファウンデーションでは、自分で科目を選びましたか?
私が入ったときは、入学して1週間もたたないうちに数学のテストがありました。その結果と、希望する学部に必要な科目をもとに、学校側が科目を割り当てる形でした。私も、自分で最初から数学・発展数学・経済を選んだわけではありません。
周りには、割り当てられた科目について学校に相談して、変更してもらった学生もいました。私が在籍していたときの話なので、今も同じようにできるかは確認が必要です。
科目変更ができるか、変更後も志望学部の進級条件を満たせるかは、個別の確認が必要です。「苦手だから必須科目を外せる」とは考えず、学校やカウンセラーに相談しましょう。
入学前は、履修予定科目の範囲を確認する
――入学までに、数学はどんな準備をするとよいですか?
数学を取るつもりなら、事前に勉強しておくのはいいと思います。A-levelの数学の範囲を見て、習ったことのある内容かどうかを確認してみるのも一つの方法です。日本でも教材は売っていると思うので、少し見てみてもいいんじゃないでしょうか。
A-levelとファウンデーションは同じ資格・同じカリキュラムではありません。教材は基礎を確認する参考として使い、実際の授業範囲と進級条件は、対象のファウンデーションコースで確認してください。
- 目指す学位コースで数学が必須かを確認する
- 履修予定の数学で扱う単元を学校へ確認する
- 未履修・苦手な範囲を復習し、英語の数学用語にも触れておく
- 英語はスコア対策に加え、専門分野の文章を読む練習をする
ファウンデーションへの入学と大学への進級で必要なこと
ファウンデーションへの入学とマンチェスター大学への進級には、それぞれ要件があり、進級先によって必要な科目と成績が異なります。
人文社会科学分野のファウンデーションコースは、会計、金融、マネジメント、法学、社会科学などの学部1年次への進学準備を行うコースです。英語でのアカデミックライティングやリサーチの力も学習内容に含まれます。
| 確認する段階 | 確認したい条件 |
|---|---|
| ファウンデーションへの入学:4学期制 | 人文社会科学コースの2026/27年度は、IELTS総合5.0、Writing 5.0以上、各技能4.5以上、または同等の英語力が目安です。 |
| ファウンデーションへの入学:3学期制 | 同コースの2026/27年度は、IELTS総合5.5、Writing 5.5以上、または同等の英語力が目安です。 |
| 英語以外の入学条件 | 学歴・成績・年齢などの要件も別途あります。日本の資格や希望する入学時期に応じた確認が必要です。 |
| 大学の希望コースへの進級 | 指定された学業成績・英語成績と、必要に応じて必須科目や追加条件を満たす必要があります。 |
| 履修内容 | 数学、発展数学、経済、ビジネスなどの科目があり、進学先に応じて履修内容が異なります。科目構成は年度によって変わることがあるため、入学する年度の内容を確認しましょう。 |
英語力に合わせて4学期制を選べば、IELTS総合5.0から目指せる進学準備コースもあります。「5.5に届いていないから難しい」と決めつけず、現在のスコアと希望する進学分野に合う期間を考えてみましょう。
ファウンデーションに入学することと、希望する学位コースへ進級することは別の段階です。授業を修了するだけでなく、進学先が指定する科目と成績、英語力などの条件を満たすことが大切です。
Sさんが経験した当時の条件や履修方法を、そのまま今の出願に当てはめず、自分の入学年度・希望コースに対応した条件を確認しましょう。
「今の評定と英語力で出願できる?」「ビジネスやマーケティングを学ぶには、どの科目が必要?」という疑問は、成績表と希望分野をもとに整理できます。留学情報館のカウンセリングで、イギリス大学進学について相談する
マンチェスター大学に入ると、勉強はどう変わる?
大学での学びには、授業前のリーディングやエッセイへの取り組み、自分の意見を支える分析や根拠を示す力が求められます。
リーディングを通して、授業の前に理解を深める
――大学に入った後の勉強量はどうですか?
私の専攻では、授業前に50ページぐらいのリーディングが出ることもあります。それをどれくらい読み込んで、どこまで理解して授業に臨むかは、自分次第ですね。
ファウンデーションは、教わった知識を自分で理解して覚えて、試験に臨む感じで、日本の勉強に近いところがありました。大学では、私の場合はエッセイなどの提出物で評価されることが多いです。試験がある専攻の人もいます。
エッセイは、結論を支える考え方まで示す
――エッセイでは、どのようなことを書きますか?
結果や意見だけを書くのではなくて、その問題をどう分析したのか、どう評価しようとして、実際にどう評価したのか、という流れになります。課題ごとに先生が何を求めているか、何をもとに評価するかも示してくれるので、そこを確認しています。
入学前から、英語の文章を読んで要点を整理し、「なぜそう考えるのか」を説明する練習をしておくと、大学での学びをイメージしやすくなりそうです。
勉強と学生生活は両立できる?友人づくりと暮らし
Sさんは学習を優先しながら、サークルや日本人会での活動、友人との時間も取り入れて学生生活を送っています。
友人づくりのきっかけは、共通の活動
――現地での友人づくりは、どうしていますか?
授業で友達をつくる人もいますが、サークルに入って仲良くなることも多いです。私はバドミントンのサークルに参加していますし、日本人会の役員もしています。自分からコミュニティに入っていくことで、交流のきっかけをつくりやすいと思います。
授業で知り合うだけでなく、共通の趣味や活動を通して話す機会をつくる。英語での交流に緊張する方にも、学生生活を考えるうえで参考になる経験です。
本格的なスポーツも、まずは活動内容を確認
――部活動と勉強は両立できますか?
私の周りには、部活に入りながらサークルの役員もやっている学生がいます。日本の部活のように毎日練習があるとは限らないので、活動によっては両立できると思います。チームに入る前にトライアルがあることもあるので、新入生向けの時期に見に行ってみるといいと思います。
練習頻度や参加条件は団体によって違います。最初は授業と課題のペースをつかみながら、自分に合う活動量を探していくとよいでしょう。
日本食店で週3回、1回5時間ほどのアルバイト
――アルバイトは、どのくらいしていますか?
日本食のお店で働いています。週3回、1回5時間ぐらいです。時給は、たしか10.45ポンドくらいですね。勉強を終わらせてから遊ぶようにしていますが、友達と出かける時間もあります。
――仕事はどうやって見つけましたか?
履歴書を印刷して、自分でお店を回りました。その後、トライアルを受けて働き始めた、という感じです。
友人と部屋を借りて、家賃は1人月16万円ほど
――今はどんなところに住んでいますか? 家賃も教えてください。
今は友達と2人で部屋を借りて住んでいます。家賃は月32万円ぐらいで、それを2人で割っているので、1人16万円ぐらいです。結構古い物件ではあるんですが、頑張って探しました。
――家賃以外の生活費は、月にどのくらいかかりますか?
家賃を入れないで、月5万円ぐらいを考えています。ただ、食費や外食費まで全部その中でまかなえているかというと、ちょっと足りていないかもしれません。友達とご飯を食べに行ったり、その後にカフェへ行ったりすると、その分もかかりますね。
※勤務時間・時給・家賃・生活費は、取材当時のSさん個人の例です。円の金額はインタビュー内で話された目安を掲載しています。
普段は自炊。アルバイト先の食事も生活の一部
――普段の食事や外食は、どうしていますか?
普段は自炊しています。一人で外食することはあまりないんですが、友達と「ここに行こう」となったら出かけます。私の周りも自炊する人が多くて、ご飯を持ってきている人もいますね。アルバイトの日はお店で夜ご飯が出るので、それもちょっと外食気分になっています。
ただし、一人の生活費をそのまま自分の予算に当てはめることはできません。住む場所、光熱費が家賃に含まれるか、外食や交通費の使い方で総額は変わります。ファウンデーションの学費、大学進学後の学費、生活費、渡航前後の諸費用を分けて見積もることが大切です。学費も入学年度・コース・期間によって異なるため、最新の案内と見積もりを確認しましょう。
就職も見据えて、大学生活で何を経験する?
早い学年から企業や仕事を知る機会をつくることは、大学卒業後の進路を考えるきっかけになります。
早い学年では、まず企業を知る機会として参加
――就職活動は、いつ頃から考えていますか?
大学1年生のときに、ロンドンのキャリアフォーラムへ行きました。そのときは、どんな企業が来ているのかを見たり、説明を聞いたりすることが中心でした。取材時点では2年生で、これから本格的に就職活動をする年です。
就職イベントの応募資格や参加企業は毎回異なります。早い段階から情報を集め、自分の卒業時期や希望する勤務地に合わせて準備していくことが大切です。
活動名だけでなく「自分が何を考え、行動したか」
――サークルや部活の経験は、就職活動にもつながりますか?
「3年間、部活に入っていました」という事実だけではなくて、そこでどんな課題があって、自分はどう分析して、何をしたことでどう変わったのか、という流れが大事だと思います。部活でも、サークルでも、勉強でも同じです。就職活動のためだけに無理に部活に入るというより、まずは楽しむために参加するのもいいと思います。
進学先を選ぶ際も、大学名に加えて、何を学び、どのような活動に挑戦したいかを考えてみましょう。将来の仕事は一つに決め切れていなくても、学びたいことや経験したいことを整理することが、大学選びの手がかりになります。
イギリスのファウンデーション・マンチェスター大学進学のよくある質問
英語力、数学、進級条件、費用の不安は、希望する学位コースと入学年度を決めて確認すると整理しやすくなります。
ファウンデーションに入れば、マンチェスター大学へ必ず進めますか?
入学しただけで、無条件に進級できるわけではありません。希望する学位コースに応じて、指定された学業・英語要件、必須科目や追加条件を満たす必要があります。出願時には、入学条件と進級条件を分けて確認しましょう。
数学が苦手でも、ビジネスやマーケティングを目指せますか?
必要な数学の履修・成績条件は、学位コースによって異なります。「ビジネス系だから数学は不要」と判断せず、具体的なコース名から要件を確認しましょう。そのうえで、出願までに復習する内容を整理できます。
英語はIELTSのスコアだけを準備すればよいですか?
スコアは入学条件を確認するために必要ですが、授業では専門分野の文章を読み、内容を理解して書いたり話したりする力も使います。志望コースの英語要件を確認しながら、読む・書く練習にも取り組んでおくと安心です。
費用を考えるとき、何を見積もればよいですか?
ファウンデーションと大学の学費に加え、教材費、住居費、光熱費、食費、交通費、渡航・保険・ビザ関連費用などを整理しましょう。奨学金は対象や選考条件が異なるため、受給が決まる前から必ず得られる収入として組み込まないことが大切です。
※入学・進級条件や学費は変更されることがあります。出願前には、希望する入学年度の最新条件とオファーレターを確認しておくと安心です。
マンチェスター大学への進学を、自分の計画にするために
先輩の経験を参考に、学びたい分野、必要な準備、卒業までの予算を具体化することが、自分に合う進学ルートを選ぶ第一歩です。
Sさんの話から見えてきたのは、ファウンデーションで新しい科目に向き合い、大学では自分の考えを深め、活動の場も広げていく学生生活でした。名門大学への憧れを、履修科目や毎日の学習、現地での暮らしまで含む計画にしていくことが大切です。
「今の高校の成績で目指せる?」「数学はどこまで準備する?」「マンチェスター大学と他大学では、自分に合うのはどちら?」。こうした疑問は、一人ひとりの学習歴や希望分野によって答えが変わります。
留学情報館のカウンセリングで、現在の成績・英語力・予算から、イギリスのファウンデーションと大学進学の選択肢を整理してみませんか。希望する専攻や入学時期がまだ決まっていない方も、今気になっていることからお話しください。