最近いたるところでグローバル化が進んでいますが、医学の世界も例外ではありません。日本ではなく海外で医師免許を取得し、グローバルな医者として活躍するという選択肢も広がりつつあります。そこで今回は、世界最先端の医療技術を誇るアメリカへの医学部留学をする方法をまとめてみました。
1.ここが違う!アメリカと日本の医学部
日本で医者になるためには高校を卒業後、大学の学部の中で最難関である医学部の入試をクリアする必要があります。その後、6年間の医学部では卒業と同時期に取得しなければならない国家資格に向けて、みっちり医学の知識や教養について叩き込まれます。
その勉強量は他の学部と比べ物にならないほどハードで、学生時代のほとんどの時間を勉強に追われることになります。無事に医学部を卒業し、国家資格を取得した後に数年間研修医として働き、ようやく晴れて医者になることができます。
これを見ると、医学部以外の他の学部出身の方からしたら、果てしない道のりに思えます。しかしアメリカで医師免許を取得するためにはさらに長い道のりが待っているのです。
アメリカの医学留学は、日本の医学部よりもハードです。
アメリカでは、高校卒業後に日本のように大学の医学部に進学することはできません。なぜなら、アメリカで医師免許を取得するために通う4年間のメディカルスクールは大学院のような位置付けであり、このメディカルスクールに入学するためにはアメリカの4年生大学を卒業しておくか、もしくは日本の4年生大学を卒業して且つアメリカの大学に2年間以上通い、必要な単位を取得する必要があるから。また、入学試験を突破するためには、勉学以外にもボランティア活動の実績も必要となります。
ここまででも果てしない道のりですが、メディカルスクールに入学してからも日本の医学部同様に凄まじい勉強量をこなしていく必要があります。また、メディカルスクールを卒業した後にもまだまだ道は険しく、インターンや専門のフォローシップで3年間学ぶ必要があります。
したがって日本では20代後半で医者になれるのに対し、アメリカは30代前半から中盤と日本と比べてより長い時間が必要になります。これを見るだけでも、アメリカで医者になるには相当な覚悟と努力が必要だということが言えますね。
2.アメリカ医学留学のメリットとデメリット
まずは、アメリカ医学留学のデメリットを2つ上げたいと思います。
デメリット①:日本よりも時間と労力がかかる
まず1つ目は、アメリカでは日本で医師免許を取るとは比べ物にならないぐらい、時間と労力を割かないと医師免許が取れないという点です。
先にも述べましたが、アメリカで医師免許を取るためには大学の学部で4年、そしてその間のボランティア活動などを経て、メディカルスクールで4年、インターンなどで3年がかかり、最短でも高校卒業から最低12年ほどの期間を必要とします。
もちろんアメリカ人でも難しい医学の知識を英語で理解しなければならないので、純粋な日本人には高すぎるハードルだということが言えます。
デメリット②:そもそも日本人を受け入れている学校が少ない
2つ目のデメリットは、日本人などの留学生を受け入れているのは、世界大学ランキングでトップスクールに認定されているメディカルスクールだけなので、そこに入学するだけの学力が必要になるということ。それ以外のメディカルスクールは、基本的にアメリカ国籍を持っている人しか入学することができないのです。
一見するとアメリカへの医学留学は難しく、ハードルが高い印象を持つかもしれません。
最大のメリット:先進医療に触れることができる
デメリットを述べてきましたが、もちろんメリットもあります。それはアメリカで学ぶことで、日本よりも数年先を行く先進医療に触れることができるとういう点です。
日本の医学界は法律などの規制が多く、なかなか先進医療が発達しにくい状況にありますが、アメリカは発達のスピード感が早いのが特長です。
よくスポーツ選手が海外で手術を受けるニュースや思い疾患にかかった子供がアメリカで臓器移植手術を受けるニュースを目にすることもあると思いますが、このように「日本では治せないが、アメリカでは治せる病気や怪我」があるのは事実です。
それらの病気の治療に積極的にチャレンジできるというのがアメリカ医学留学の最大のメリットだということが言えると思います。なので、治療法がない難病の患者を救いたいという思いのある方には、強くアメリカへの医学留学をおすすめします。
3.アメリカの医学部入学までの道のり
引用元:huffingtonpost-海外の医学部に進学するという道
最後にアメリカのメディカルスクールに入学するための道のりを紹介します。
手順①:MCATを受験する
まずアメリカのメディカルスクールに行くにはMCAT(Medical CollegeAdmission Test)を受験しなければいけません。これはPhysical Science (化学・物理系)、Verbal Reasoning (読解・現国)、Writing Samples(小論文)、Biological Science(生物系)の4教科からなる試験で、これらをなるべくハイスコアでパスする必要があります。
手順②:MCATから推薦状を受け取り、書類審査を受ける
次にMCATからの推薦状3通以上、研究経験・論文、ボランティア経験や課外活動と、MCATのスコアを学校に提出することで、1次書類審査を受けることが出来ます。これに合格すると学校ごとに用意されている2次書類審査を受講します。この審査では、学校ごとに決められたテーマでエッセイを書く必要があります。これを提出し合格したら、ようやくインタビューに進むことができます。
手順③:最終難関のインタビューを受ける
インタビューは実際にメディカルスクールのキャンパスで行われ、通過率は3割未満だと言われています。このインタビューに晴れて合格すると、メディカルスクールに入学することができます。
果てしない道のりですが、先進医療に関心のある人は挑戦してみてはいかがでしょうか。