英語が苦手でも海外の名門大学に行けるのか|TOEFLが取れない人の進学ルート3択

英語が苦手でも海外の名門大学に行けるのか|TOEFLが取れない人の進学ルート3択

「海外の大学に行きたいけれど、TOEFLのスコアが出ない」——この段階で諦める人が、毎年たくさんいます。

ただ、必要なスコアは進学ルートによってまったく違います。たとえばカリフォルニア大学(UC)に1年生として出願するならIELTS 6.5が必要ですが、カリフォルニアのコミュニティカレッジ(以下、コミカレ)なら英検2級(75%以上・合格)でも出願できる大学があります。そしてコミカレからUCに編入する場合、そもそもTOEFLもIELTSも提出しなくてよくなります

同じ「UCの学位」を目指すのに、入口で求められる英語力にこれだけの差があるということです。

この記事では、英語力が足りない段階から海外の大学を目指す3つのルートを、必要なスコアと到達までの期間で比較します。「今の英語力では無理」と判断する前に、選択肢の全体像を確認してください。

※本記事の数値は2026年9月時点で各大学・試験機関が公表している内容です。

目次

今の英語力から、どのルートが現実的かを診断します

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英検2級程度から始められるルートを見る

まず前提:TOEFLのスコア表記が2026年に変わりました

英語スコアの話に入る前に、前提を1つ更新しておきます。

TOEFL iBTは2026年1月21日から、総合スコアが従来の0〜120点から1〜6のバンド(0.5刻み)に変わりました。4技能(読む・聞く・話す・書く)それぞれを1〜6で採点し、その平均を0.5刻みに丸めた数値が総合スコアになります。たとえば4技能の平均が5.25なら、総合は5.5です。

新しいスケールはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に合わせて設計されており、各セクションで5.0を取ればその技能はC1相当とされます。改定から2年間は0〜120換算も併記されるため、当面は両方の表記が混在します。

これが何を意味するかというと、ネット上の「TOEFL○点必要」という情報の多くが、旧スケールのままだということです。大学の募集要項を見るときは、どちらの表記かを必ず確認してください。この記事でも、新旧どちらのスケールかを明記します。

ルート1:4年制大学に直接出願する

最も分かりやすいルートですが、英語のハードルは最も高くなります。

UCの場合:IELTS 6.5、Duolingo 115

カリフォルニア大学が新入生(1年次)の留学生に求める英語力は次のとおりです。

試験 必要スコア
TOEFL iBT 4.5(2026年1月以降の新スケール。従来の80相当)
IELTS 6.5以上
Duolingo English Test 115以上
ACT English Language Arts 24以上
SAT Writing and Language 31以上

これらは高校の最終学年の12月までに受験して満たす必要があります。日本の高校のカリキュラムをこなしながらIELTS 6.5を取るのは、かなりの準備量です。

イギリス系も同水準

ノッティンガム大学マレーシア校のように、イギリスの大学の学位を出す機関は、学部課程でIELTS 6.0〜6.5を求めます。本校と同じ学位を出す以上、要求水準も本校に準じるためです。

直接出願は、すでにIELTS 6.0前後まで来ている人にとっては最短ルートです。一方、まだ英検2級前後という段階の人が1〜2年でここまで引き上げるのは、簡単ではありません。

ルート2:ファウンデーション(大学進学準備課程)を経由する

イギリス式の学制を採る国(イギリス、オーストラリア、マレーシアなど)には、大学附属の進学準備課程が用意されています。1年間ここで学び、そのまま学士課程に進む仕組みです。

語学学校ではなく大学が運営する正規課程で、専攻分野別(ビジネス、工学、IT、デザインなど)に分かれています。修了すれば、原則としてその大学の学士課程に進めます。

入口の英語要件はぐっと下がる

マレーシアのアジア太平洋大学(APU)が公表している要件を例に見ます。

課程 IELTS PTE Academic
ファウンデーション 4.0 36
学士(IT、工学、会計、心理学など) 5.0 47
学士(経営、マーケティング、デザインなど) 5.5 51

ファウンデーション入学ならIELTS 4.0。学士課程に直接出願する場合の6.0〜6.5と比べると、2バンド以上の差があります。

さらにAPUは、英語要件を満たしていない学生に対して条件付きで学生ビザを申請し、到着後に英語課程を受講することを認めています。ただし12か月以内に必要な水準に達しない場合は帰国することになるため、猶予であって免除ではありません。

注意点:1年分の時間と費用が増える

ファウンデーションは、日本の高校卒業から学士号までが合計4年になります(ファウンデーション1年+学士3年)。日本の大学と同じ年数ですが、直接入学できる人と比べると1年分の学費が余分にかかるのは事実です。

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ルート3:コミュニティカレッジから編入する

英語力がまだ足りない人にとって、選択肢がいちばん広いのがこのルートです。

英検2級でも出願できる

カリフォルニア州のサンタモニカ・カレッジが公表している、F-1ビザ申請者向けの英語要件を見てみます。次のいずれか1つを満たせば出願できます。

試験 必要スコア
TOEFL iBT 45(旧スケール)/PBT 450/ITP 450
IELTS 5.0
Duolingo English Test 75以上
PTE(Pearson Test of English) 39以上
iTEP 3
実用英語技能検定(英検) 2級を75%以上のスコアで合格
ケンブリッジ英検(CAE/CPE) C以上

注目すべきは英検2級が正式に認められている点です。日本の高校生にとって、英検2級はIELTS 6.5よりはるかに現実的な目標です。

加えて、指定された語学学校の所定レベルを修了することでも要件を満たせます。UCLAエクステンションの405、ELS Language Schoolsの109など、具体的な学校名とレベルが一覧で公表されています。

スコアがまったくなくても入学する道がある

さらに重要なのがここです。同校は、英語能力の試験スコアを持っていない学生でも、学内のIntensive English Program(IEP/集中英語プログラム)への入学であれば英語要件なしで出願できるとしています。週20時間の授業を受ける非単位のプログラムです。

つまり、「スコアがないから出願すらできない」という状態は、このルートでは起きません

編入なら、英語試験そのものが不要になる

ここがこの記事でいちばんお伝えしたい部分です。

コミカレからUCに編入する場合、UC編入可能な英語ライティング科目を規定の成績で修了すれば、TOEFLもIELTSも提出しなくてよくなります。UC本部が公式に定めているルールです。

編入先 必要な成績
バークレー、デービス、アーバイン、マーセド、リバーサイド、サンタバーバラ、サンタクルーズ 英作文科目でC以上
UCLA、サンディエゴ 英作文科目でB以上

UC編入の必須要件である「7科目パターン」には、もともと英語ライティング2科目が含まれています。この科目はどのみち履修します。それをC以上(UCLA・UCSD狙いならB以上)で通すだけで、英語試験の対策が丸ごと不要になるという構造です。

ただし条件が1つ。UCは英語が教授言語でない国の大学で取った英作文科目は認めません。日本の大学で英語の授業を取っても対象外で、アメリカのコミカレで履修する必要があります。

UC編入の全体像はUCLAに入る2つのルート|合格率9.4%の壁と、編入という現実解で詳しく解説しています。

3つのルートを並べて比較する

ルート1
直接出願
ルート2
ファウンデーション
ルート3
コミカレ編入
入口の英語要件 IELTS 6.5(UC新入生) IELTS 4.0〜(APU) 英検2級/IELTS 5.0/スコアなしでもIEP経由
学位取得までの年数 4年 4年(1+3) 4年(2+2)
最終的な学位 その大学 その大学または提携校 編入先の大学(UCなど)
途中の英語試験 出願時に必要 進級時に基準あり 英作文2科目の成績で免除可
向いている人 すでにIELTS 6.0前後 英語より専門の土台を作りたい 英語が最大のネック

年数はどのルートも4年で変わりません。差が出るのは入口の英語要件と、途中で英語試験に縛られるかどうかです。

どれを選ぶかの判断基準

現在の英語力を起点に考えると、判断はシンプルになります。

  • IELTS 6.0前後まで来ている:直接出願が最短。ここから6.5は現実的な射程です
  • 英検2級前後:コミカレ編入が最も現実的。英検2級で出願でき、その後は英作文科目の成績で英語試験を回避できます
  • 英検準2級以下、またはスコアなし:IEP付きのコミカレか、ファウンデーション。まず出願できる場所に身を置いてから積み上げます
  • 英語より費用が最大の制約:マレーシアのファウンデーション経由。学費は欧米の半分以下です

大事なのは、「スコアが出てから考える」ではなく「今のスコアで入れる場所から逆算する」という順番です。英語は入ってからも伸ばせますが、出願できる時期は動かせません。

どの試験を受けるべきか

「とりあえずTOEFL」と考えている人が多いのですが、ルートによって最適な試験は変わります。

試験 使える場面 特徴
IELTS 英・豪・マレーシア・アメリカ、ほぼ全域 最も汎用性が高い。マレーシアの大学はIELTS基準で要件を公表していることが多い
TOEFL iBT 主にアメリカ 2026年1月から1〜6のバンド表記。当面は旧換算も併記される
Duolingo English Test UC(115)、コミカレ(75)など オンライン受験で費用が安く、結果も早い。ただし採用していない大学もある
英検 コミカレの一部(サンタモニカ・カレッジなど) 日本国内で受けやすい。2級・75%以上で要件を満たせる大学がある
PTE Academic マレーシア(APU 36〜51)、コミカレ(39)など 結果が早い。対応校は限定的

実務的な結論はシンプルです。迷ったらIELTS。行き先が決まっていない段階では、最も多くの大学で使えるIELTSを受けておけば無駄になりません。

そのうえで、コミカレ経由を第一候補にしているなら、まず英検2級を確実に取るのが最短です。日本国内で年3回受けられ、対策教材も豊富で、すでに持っている人も多い資格です。

ルート別の「つまずきどころ」

英語力が理由で計画が崩れるパターンには、ルートごとに傾向があります。

直接出願でのつまずき

最も多いのが、高3の12月というUCの締切に間に合わないケースです。IELTS 6.5は複数回の受験を前提に計画すべき水準で、「高3の秋から本格的に始める」では受験機会が足りません。逆算すると高2のうちに1回目を受けておく必要があります。

ファウンデーションでのつまずき

入口の要件が低い分、入学後に授業についていけないという形で表面化します。ファウンデーションは語学学校ではなく、専門科目を英語で学ぶ正規課程です。IELTS 4.0で入学した場合、最初の数か月はかなりの負荷がかかります。

また、条件付き入学で英語課程から始める場合、期限内に基準へ到達しないと帰国という条件が付いていることがあります(APUの場合は12か月)。猶予の長さを必ず確認してください。

コミカレ編入でのつまずき

意外に思われるかもしれませんが、英語ではなく単位管理でつまずくケースが大半です。UC編入には7科目パターン、60単位、GPA(州外・留学生は2.8以上)という要件があり、履修の順番を間違えると2年で条件が揃いません。

特に、英語スコアの免除に必要な英作文2科目を後回しにするのは危険です。この科目は編入要件でもあり、英語試験の免除条件でもあるため、早い学期に取るのが定石です。

よくある質問

Q. 英検2級しか持っていませんが、本当に出願できますか

サンタモニカ・カレッジは、英検2級を75%以上のスコアで合格していれば英語要件を満たすと公表しています。ただし、これは同校の基準です。他のコミカレは独自の基準を持つため、志望校ごとに確認してください。

Q. スコアがない状態で入学した場合、卒業まで何年かかりますか

IEP(集中英語プログラム)から始める場合、その期間は正規の単位にならないため、その分だけ卒業が後ろにずれます。英語の期間を短くしたいなら、渡航前に英検2級またはIELTS 5.0を取っておくほうが、結果的に総額も期間も抑えられます。

Q. 日本の大学で英語の授業を取れば、UCの英語要件を満たせますか

満たせません。UCは英語が教授言語でない国の大学で取った英作文科目を認めないと明記しています。この免除を使うには、アメリカのコミカレで履修する必要があります。

Q. Duolingoは他の試験より簡単ですか

難易度の比較を公式に示したものはありません。ただしオンラインで受験でき、費用が安く、結果が早いのは事実です。UCは115、サンタモニカ・カレッジは75という基準を公表しているので、対応校であれば選択肢に入ります。

Q. 英語が苦手なまま行って、現地で伸びますか

環境だけで自動的に伸びることはありません。ただし、英語で単位を取らざるを得ない環境は、日本で独学するより強い強制力になります。重要なのは「伸びるかどうか」ではなく、伸ばす期間を学位のスケジュールの中に組み込めているかです。コミカレ編入ルートが機能するのは、最初の2年が英語を伸ばす期間と単位を積む期間を兼ねているからです。

まとめ

  • TOEFL iBTは2026年1月21日から1〜6のバンド表記に変更。古い情報の点数表記に注意
  • UCに新入生として出願するならIELTS 6.5/Duolingo 115/TOEFL iBT 4.5(旧80相当)
  • ファウンデーションならIELTS 4.0から出願できる大学がある(APU)
  • カリフォルニアのコミカレは英検2級(75%以上・合格)で出願可。スコアがなくてもIEP経由で入学できる
  • コミカレからUCへ編入する場合、英作文2科目をC以上(UCLA・UCSDはB以上)で通せば英語試験の提出が不要
  • 年数はどのルートも4年。差がつくのは入口の要件途中で試験に縛られるか

「英語が苦手だから海外大学は無理」という判断は、多くの場合ルート1しか見ていないことから来ています。入口の要件は、ルートを変えるだけで2バンド以上変わります。

留学情報館のカリフォルニア大学進学プログラムは、申込時点の英語力は英検2級程度から対応しています。参加費は1,380,000円(税込)。カリフォルニア州内の大学への合格実績は126名(UCアーバイン30名/UCデービス30名/UCLA26名/UCサンディエゴ21名/UCバークレー16名/南カリフォルニア大学3名ほか)です。

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