カリフォルニア大学の学費は実際いくら?費用の内訳を項目別に分解する

カリフォルニア大学の学費は実際いくら?費用の内訳を項目別に分解する

カリフォルニア大学(UC)の学費を調べると、「年間9万ドル」「4年で5,000万円超」といった数字が出てきます。桁を見た時点で検討をやめてしまう方も多いと思います。

ただ、この9万ドルという数字は学費だけの金額ではありません。UCが公表しているのは「Cost of Attendance(就学にかかる費用の総額)」で、寮費・食費・保険・教科書代・交通費まで含んだ数字です。しかも「Tuition(学費)」と表示されている部分自体が、実は3つの料金の合計です。

この記事では、UCが公表している数字を項目ごとに分解します。どこが削れてどこが削れないのか、コミュニティカレッジ(以下、コミカレ)を挟むと何がどう変わるのかまで、実額で確認していきます。

※本記事の数値は、カリフォルニア大学本部(UCOP)およびUC入学局が2026年に公表した資料に基づきます。米ドルは1ドル=155円で換算しています(2026年9月時点)。

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UCが公表している総額:年間90,100ドル

まず全体像です。UCが公表している2027-28年度の見積もり(学内寮に住む場合)は次のとおりです。

項目 州外・留学生 カリフォルニア州民 円換算(州外)
UC Tuition(学費) $57,300 $16,278 約888万円
Campus fees(キャンパス費) $1,900 $1,900 約29万円
Campus housing and meals(寮・食事) $21,700 $21,700 約336万円
Health insurance(健康保険) $3,900 $3,900 約60万円
Books and supplies(教科書等) $1,400 $1,400 約22万円
Transportation and personal(交通・雑費) $3,900 $3,900 約60万円
合計 $90,100 $49,078 約1,397万円

ここから読み取れる最重要の事実は1つです。州民と州外・留学生の差は、学費の部分だけで生まれています。寮費も保険も教科書代も、州民と留学生で同額です。

差額は年間41,022ドル(約636万円)。4年間で約2,544万円が、「カリフォルニア州民ではない」という理由だけで発生します。

「Tuition」の正体は、3つの料金の合計

表で「UC Tuition $57,300」と1行になっている部分を分解します。UC本部が公表している2026-27年度の料金表では、これは3つの独立した料金の合計です。2026-27年度に入学する学年(コホート)の場合、次のようになります。

料金の名称 年額 誰が払うか
Tuition(授業料) $14,202 全員
Student Services Fee(学生サービス費) $1,386 全員
Nonresident Supplemental Tuition(州外者追加授業料) $39,270 州外・留学生のみ
合計(州外・留学生) $54,858
合計(州民) $15,588

つまり、留学生が払う学費の約7割は「州外者追加授業料」という上乗せ分です。授業そのものの対価(Tuition)は14,202ドルで、州民とまったく同じ額を払っています。

これは、UCがカリフォルニア州の税金で運営される州立大学だからです。州民の学費は税金で補助されており、州外・留学生はその補助がない分を追加で負担する構造になっています。

学期ごとに見るとこうなる

UCはキャンパスによって学期制(セメスター制)とクォーター制が分かれます。2026-27年度入学のコホートの場合、州外者追加授業料はクォーター制なら1学期あたり$13,090、セメスター制なら$19,635です。

夏期講習(サマーセッション)を取る場合は別料金で、学部生のフルタイム料金は$13,104です。「4年で卒業できずに夏学期を追加する」と、この分がまるごと上乗せになります。

UCの学費は「入学年で固定」される

あまり知られていませんが、UCにはTuition Stability Planという制度があります。授業料・学生サービス費・州外者追加授業料は入学年度のコホート単位で固定され、在学中に値上がりしません。

実際、2026-27年度の料金表には入学年度別の金額が並んでいます。

入学年度 授業料 学生サービス費 州外者追加授業料 州外・留学生の合計
2026-27年度入学 $14,202 $1,386 $39,270 $54,858
2025-26年度入学 $13,602 $1,332 $37,602 $52,536
2024-25年度入学 $13,146 $1,290 $34,200 $48,636
2021-22年度以前の入学 $11,442 $1,128 $29,754 $42,324

この制度には、費用面で見逃せない意味が2つあります。

1つは、在学中の値上がりリスクがないこと。4年間の総額を入学時点で固定できるので、資金計画が立てやすくなります。

もう1つは、入学年度が後になるほど高くなること。2021-22年度以前の入学者と2026-27年度入学者では、州外者追加授業料だけで年間9,516ドル(約147万円)の差があります。進学を1年先送りすると、その分だけ高いコホートに入るということです。

編入生はどう扱われるか

コミカレから編入する場合、コホートはUCに入学した年度で決まります。したがって、編入生がUCで支払う期間は2年間であり、高い年度のコホートに入っても、負担するのは2年分です。4年間直接通う場合と比べると、値上がりの影響を受ける年数自体が半分になります。

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学費以外の項目を、削れるもの・削れないもので分ける

年間90,100ドルのうち、学費以外は32,800ドル(約508万円)です。この部分を、動かせるかどうかで分けます。

項目 年額 削減余地
寮・食事 $21,700 大きい。学外シェアや食事プランの変更で変動
健康保険 $3,900 小さい。UC指定の保険が原則必須
交通・雑費 $3,900 中。生活スタイル次第
キャンパス費 $1,900 なし。全員一律
教科書等 $1,400 中。中古・電子版で圧縮可能

最大の変動要素は住居費です。年間21,700ドル(約336万円)は学内寮を前提にした見積もりで、学外のシェアハウスに移ると下がるケースがあります。ただしカリフォルニアの家賃相場は高く、「学外に出れば必ず安くなる」とは限らない点には注意が必要です。

健康保険は削れません。UCは学生向け保険(UC SHIP)への加入を原則として義務づけており、留学生が任意で外れることは通常できません。

UCに払わないお金:ビザと渡航

Cost of Attendanceには含まれていない費用があります。ビザ関連と渡航費です。

項目 金額 備考
SEVIS費(I-901) $350 F-1ビザ申請の前に納付
ビザ申請料(MRV) $185 面接予約時に納付
Visa Integrity Fee $250 2025年成立の法律による新しい手数料。ビザ発給時に徴収
渡航費 変動 往復航空券。一時帰国の回数で増減

Visa Integrity Feeは2025年7月に成立した法律で導入されたもので、F-1を含むほとんどの非移民ビザが対象です。ただし徴収の開始時期は在外公館ごとにばらつきがあると報じられており、すでに徴収している公館と、システムの準備中で未徴収の公館が混在しています。申請前に管轄の米国大使館・領事館で確認してください。

これらは1回あたり数万円〜十数万円の話で、学費と比べれば小さい金額です。ただし渡航費は4年間で見ると無視できない額になります。年1回の一時帰国を4年続ければ、往復8回分です。

4年間の総額はいくらになるか

ここまでの数字を4年分に伸ばします。

ルート 内訳 4年総額 円換算
UCに4年間直接進学 $90,100 × 4年 $360,400 約5,586万円
コミカレ2年+UC2年 $34,000 × 2年 + $90,100 × 2年 $248,200 約3,847万円
差額 $112,200 約1,739万円

コミカレの34,000ドルは、サンタモニカ・カレッジが公表している2026-27年度の留学生向け見積もり総額です。

コミカレ側の内訳も見ておく

項目 年額
授業料(24単位分) $11,664
健康保険 $2,310
住居費・食費(ホームステイ、1日2食、9か月) $13,869
教科書等(2学期分) $1,064
雑費 $4,968
その他の学内費用(健康費・学生活動費など) $125
推定総額 $34,000

1単位あたりの料金は$486で、その内訳は登録料$46+州外授業料$416+州外サーチャージ$24です。

注目すべきは、住居費と雑費はUCとほとんど変わらないという点です。差が出ているのは授業料だけ。2年間で学費だけを圧縮し、卒業証書はUCから受け取る——これがこのルートの構造です。

UC編入の合格率や仕組みについてはUCLAに入る2つのルート|合格率9.4%の壁と、編入という現実解、コミカレの選び方はUCLA・UCバークレー編入におすすめのコミュニティカレッジと選び方のポイントをご覧ください。

キャンパスによって費用は変わるのか

「UCLAとUCリバーサイドでは学費が違うのか」という質問をよく受けます。答えは学費は同じ、それ以外は違うです。

授業料・学生サービス費・州外者追加授業料はUC全体で共通(systemwide)の料金です。9つのキャンパスのどこに行っても、同じ入学年度なら同じ額を払います。UCLAだから高い、マーセドだから安い、ということはありません。

違いが出るのは次の2つです。

  • キャンパス費(campus-based fees):各キャンパスが独自に定めるため、金額が異なります。UCが見積もりで使っている$1,900は全体の目安です
  • 住居費・生活費:ここが実質的な差になります。ロサンゼルスやバークレーのような大都市圏と、マーセドやリバーサイドのような内陸部では、家賃相場が大きく違います

つまり、費用でキャンパスを選ぶなら見るべきは学費ではなく立地です。同じUCの学位を取るのであれば、生活費の安い地域のキャンパスのほうが総額は下がります。

支払いはいつ、どのタイミングで発生するか

資金計画で意外と重要なのが、支払いの時期です。年額をまとめて払うわけではありません。

時期 発生する支払い
出願時(秋) UC出願料(キャンパスごと)
合格後〜渡航前 SEVIS費$350、ビザ申請料$185、Visa Integrity Fee $250、航空券、寮のデポジット
各学期の開始前 授業料・州外者追加授業料・キャンパス費(クォーター制なら年3回、セメスター制なら年2回)
学期中 寮費・食費(プランによる)、教科書代
年1回 健康保険料

クォーター制のキャンパスに進む場合、州外者追加授業料だけで1学期あたり$13,090(約203万円)を年3回納めることになります。セメスター制なら1回$19,635(約304万円)を年2回です。まとまった額が学期ごとに動くため、為替の動きが支払い時期ごとに効いてくる点は意識しておく必要があります。

費用を考えるときに間違えやすい3点

1. 「学費」だけを比較してしまう

日本の大学の学費と比べるとき、UCの90,100ドルと並べるのは不公平です。UCの数字には寮費・食費・保険まで入っています。比べるなら、日本の大学の学費+下宿代+生活費と並べるべきです。

2. 奨学金で解決すると考えてしまう

UCは公式に、留学生は学生ローンの対象外であり、受けられる奨学金もごくわずかであるとしています。UCの費用は、奨学金で埋める前提では計画できません。

3. 為替の影響を見落とす

本記事は1ドル=155円で換算していますが、4年間で為替は動きます。1ドルあたり10円動けば、年間90,100ドルの支払いは年間90万円変わります。ドル建ての金額が固定されていても、円建ての負担は固定されません。ドル建ての総額を圧縮しておくことは、そのまま為替リスクを圧縮することでもあります

よくある質問

Q. 途中でカリフォルニア州民になって学費を下げられませんか

F-1ビザの留学生が学費目的でカリフォルニア州の居住者資格を得るのは、原則としてできません。州外者追加授業料を払う前提で計画してください。年間$39,270(約609万円)の差がかかっているため、「あとから何とかなる」と考えるのは危険です。

Q. 4年で卒業できなかった場合、どれくらい増えますか

1年延びれば単純に年間$90,100(約1,397万円)が追加されます。夏学期だけで単位を補う場合でも、学部生のフルタイム料金は$13,104です。期間が延びること自体が最大の追加コストだと考えてください。

この観点でも編入ルートには利点があります。コミカレの2年間で編入要件(60単位・7科目パターン・GPA)を計画的に満たせば、UCでの2年間は専門科目に集中できます。

Q. アルバイトで費用を賄えますか

F-1ビザの学生は学内就労が中心で、就労時間にも制限があります。年間1,397万円の費用に対して、アルバイト収入で埋められる割合はごく一部です。生活費の一部を補う手段であって、学費対策にはなりません

Q. コミカレ経由だと学位の価値が下がりませんか

下がりません。UCを卒業すれば、学位記に記載されるのはUCの名前です。編入生か新入生かで学位の種類が変わることはありません。UCLAが公表している2025年秋の編入データでは、合格した編入生の93%がカリフォルニアのコミュニティカレッジ出身で、編入は例外的な入り方ではなく主要ルートの一つです。

Q. 為替が円高に振れたら総額は下がりますか

下がります。ただし逆方向にも同じだけ動きます。本記事は1ドル=155円で計算していますが、ドル建ての総額を圧縮しておけば、どちらに振れても影響の絶対額が小さくなります。為替を読むより、ドル建ての金額を減らすほうが確実です。

まとめ

  • UCの年間費用は州外・留学生で$90,100(約1,397万円)。ただしこれは寮・食事・保険まで含む総額
  • 「Tuition」の中身は授業料$14,202+学生サービス費$1,386+州外者追加授業料$39,270(2026-27年度入学コホート)
  • 州民との差は学費部分だけ。寮費・保険・教科書代は同額
  • UCの学費は入学年度で固定される。在学中の値上がりはない一方、進学を先送りすると高いコホートに入る
  • 学費以外で削れるのは主に住居費。保険とキャンパス費は削れない
  • Cost of Attendanceに含まれないビザ費用(SEVIS $350+申請料$185+Visa Integrity Fee $250)と渡航費がある
  • コミカレ2年を挟むと4年総額は$360,400 → $248,200。差は約1,739万円

UCの費用は、項目に分けると「動かせる部分」と「動かせない部分」がはっきりします。寮費や教科書代の節約でできることは限られますが、州外者追加授業料を払う年数を2年減らすというのは、桁が違う削減になります。

留学情報館のカリフォルニア大学進学プログラムは、この編入ルートを合格保証つきで設計するものです。参加費は1,380,000円(税込)、申込時点の英語力は英検2級程度から対応しています。カリフォルニア州内の大学への合格実績は126名(UCアーバイン30名/UCデービス30名/UCLA26名/UCサンディエゴ21名/UCバークレー16名/南カリフォルニア大学3名ほか)です。

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