ポーランドへ大学留学して良かったこと7選 vs. デメリット~卒業間近の現地大学生の声~

ポーランドへ大学留学して良かったこと7選 vs. デメリット~卒業間近の現地大学生の声~

皆さんはポーランドにどんなイメージを持っていますか?アウシュビッツ?旧ソ連?ショパン?実は、高学歴者が多く、英語話者も多い知的な国なのです。

今回は留学先としてはまだまだマイナーなポーランドの良さと、正直デメリットだと感じるところを、現地校に正規留学している大学生の視点でお伝えします。

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1.ポーランドの大学・大学院

メリット7選をお伝えする前に、ポーランドの大学・大学院について少し豆知識を!

日本やアメリカの大学制度は、学部4年制、院2年制で構成されており、院2年間には進まない人も多いですが、ポーランドの大学事情は少し異なります。

ポーランドの大学は基本的に学部3年制、院2年制で構成されており、院に進む人も少なくありません。

学部が3年しかないので、3年間を通して自分の専攻に集中します。その為、いわゆる教養科目と呼ばれる教科は多くはありません。

医学部、法学部、心理学部など学部によっては5年制で、学部と院の区別が無い専攻もあります。

以前は、院2年も修了しなければ大学教育を受けたと見なされなかったようですが、最近はその概念が変わってきて、学部3年だけを修了する人も増えたそうです。

2.メリット① 英語で授業が受けられる

ポーランドの公用語はポーランド語ですが、大学では英語で開講されている学部や授業も多くあります。

私の専攻している国際関係学は専攻上の性質もあり全て英語開講ですが、ポーランドには医学部や生物学、経済学、心理学なども全て英語で開講している大学・学部があります。

学部自体が英語で開講されていなくても、授業によっては英語で開講されていることもある為、選択科目として受講することもできます。

ポーランドには英語話者が多いと先述しましたが、大手語学学校が計る英語能力指数ランキングで2019年には「非常に高い」に分類される11位にランクインしています。

確かに、自分の所属している学部も、帰国子女など特別な海外在住経験のないポーランド人生徒が半数程度おり、若いポーランド人の英語運用能力の高さを身を持って感じます。

道端で場所を聞く程度の英会話力であれば持っている人が多く、誰に聞いても大概答えてくれます。

3.メリット② 学費がリーズナブル

金銭面を理由に留学先を決定するのは好ましくないと思われる方も一定数いらっしゃるようですが、学費の高さがネックとなって留学を断念する日本人が多いのも事実です。

その点ポーランドの公立大学であれば、外国人の私であっても年間3,000ユーロ、日本円にして40万円未満の学費です。

初年度だけ事務手数料のような形で数千~数万円の出費が重なりますが、日本の大学のように、数十万円の入学金はありません。

欧州では学費が無料の国もあると聞いたことがありますが、それは欧州連合またはヨーロッパの市民であることが条件になっていることもがあり、これは日本国籍しか持っていない人には当てはまりません(大学によるので入念に調べるようにしましょう)。

実際に私は上記の理由で欧州の他国のとある大学への進学を断念しました。EU市民ではない私に課される学費が日本の私立大学とほぼ変わらなかったからです。

ポーランドの公立大学の学費について、もう一つ特筆すべき点は、ポーランド語開講であれば学士も修士も学費が無料であることです。

ポーランド語を高校までで習っている人は数えるほどしかいないと思うので、これはハードルが高いかもしれませんが、チャレンジ精神のある人は、ポーランド語を半年~1年みっちり勉強してからポーランド語開講で大学進学を目指すのも選択肢として有りでしょう。

※尚、私立に関しては学費の事情が若干異なります。

4.メリット③ 生活費を抑えることができる

ここ最近、年々物価が上がってきていると言われるポーランドですが、自炊をし、不必要な物を買わないなど、出費を抑えれば、まだまだ日本や他のヨーロッパ諸国より生活費を抑えることができます。

時期や店舗にもよりますが、スーパーでは、牛乳が約60円、玉ねぎが1kg当たり約120円、オレンジが1kg当たり約120円、スライスされた食パン500gが約50円で売られています。

外食は日本より若干安いか同程度ですが、自炊をしていれば生活費が高くつくことはありません。

また、アパートに住むか、学生寮に住むかにもよりますが、ワルシャワのような都市で居住費も光熱費、水道代を入れて5万円を超えるような場所へ住んでいるとすれば、学生としてはかなり贅沢な住居だと言えると思います。

ちなみに私は2年間ずっと2人部屋の学生寮に住んでいたので、インターネット代、光熱費、水道代を入れて毎月約15,000円でした。3人部屋になるともっと安いです。

学生寮の安さ以外に良かったことは、平日毎日掃除のサービスがあることと、夏期長期休暇中追加料金を払わず荷物を荷物管理室に保管しておけることです。

5.メリット④ 治安が良い

日本は夜間でも女性が1人で歩けるほど治安が良いことは世界中で知られていますが、実はポーランドも治安の良さは負けていません。

ポーランドでは外国人女性である私も、夜中の2時や3時でも1人で歩いたことが何度かあります。

また、ジュブルフカというポーランド産ウォッカは他のヨーロッパ諸国でもよく売られているほど、ポーランド人はよくお酒を飲むと言われており、学生も時々、夜な夜なクラブで飲み踊り明かしていますが、終電が無いので、帰宅手段に困ることはありません。23時以降になると日中と比べて本数は減りますが、公共交通機関は24時間動いています。

残念ながらスリは日本より多いですが、幸いにも私は1度もスリに遭ったことがありません。

もちろん気を付けなくても良いとは言いませんが、夜間に女性が一人歩きの出来る国だということは十分治安の良さを表しているのではないでしょうか。

私だけでなく、フランスやイタリアからの留学生も、自国と比べたポーランドの治安の良さには驚いていました。

6.メリット⑤ ヨーロッパ内外の交換留学制度が充実している

私の通うワルシャワ大学国際関係学部では6学期(3年間)のカリキュラムうち、3学期(1年半)まで、他大学で単位を取得することが許可されています。

北米、中南米、東アジア、アフリカ、中東の大学へ半年~1年間の交換留学はもちろんのこと、ヨーロッパの大学間で学生の流動を高めようとするエラスムス計画によって構築されたヨーロッパ大学間ネットワークに登録している大学で勉強することもできます。

エラスムスの制度は実質交換留学と同じですが、ヨーロッパでは、エラスムス計画に登録している大学以外の交換留学と分けてエラスムスと呼んでいます。

私は現在このエラスムスの制度を使ってスペインの大学に通っていますが、実は奨学金も貰っています。

この奨学金は一定の成績を収めていれば、エラスムスに参加する生徒誰もが貰えることのできる返済不要の奨学金で、行く国の物価によって貰える額が異なります。

ワルシャワ大学からスペインの大学へ行く場合は、毎月450ユーロ(約54,000円)と決まっています。この奨学金でスペインでの滞在費を全て補えるわけではありませんが、学生にとっては大きな額なので、生活費のサポートには十二分です。

7.メリット⑥ 旅行がし易い

ところで皆さん、突然ですが、ポーランドはヨーロッパのどこにあるかきちんとご存知でしょうか。

旧ソ連のイメージが強い人が多いかもしれませんが、ロシアとは、ロシアの飛び地のごく一部としか繋がっていないのです。

ポーランドは、南がスロバキアとチェコ共和国、東がロシアの飛び地の他にリトアニア、ベラルーシ、ウクライナ、東がドイツと陸で繋がっています。

このような立地条件があり、バスや鉄道で隣国へ行きやすいのはもちろん、最近は格安航空のライアンエアーやウィズエアー、イージージェットの路線充実もあり、陸では繋がっていないヨーロッパ諸国へも週末で行って帰ってくることが可能です。

ポーランド国内の鉄道やバスも充実しており、学生は学割がきくことが多いため、若い時に様々な場所へ行き、肌身で感じて、知見を広げることができます。

8.メリット⑦ ポーランド、ヨーロッパの歴史・文化・政治を肌で感じることができる

先述したように、ポーランドを含めたヨーロッパ諸国の多くが陸で繋がっています。もしくは近距離にあります。

ヨーロッパは、日本とは全く違う歴史を歩んできました。その歴史が影響を及ぼした建築物や文化はもちろん、政治に対する考え方も、ダイレクトに感じることができます。

例えば、近年ポーランドで大きな話題(問題)になっているのが、性的少数者(LGBTQ)を取り巻く状況や中絶など、政治と宗教の繋がりが社会に及ぼす影響です。

私のバイアスがかかるのは好ましくないので詳細は控えますが、最近はポーランドの社会で性的少数者が自己表現をし辛くなっていたり、いかなる条件下でも中絶が禁止される方向へ政府が動いているという現状があり、デモに遭遇することが多々あります。

フランス・パリへ旅行へ行った際には、イエローベスト運動に遭遇した他、数年前のテロの影響もあってか、メインの観光通りに入る前に荷物検査を受けました。

大学の授業では、よく難民問題や移民問題が取り上げられ、ポーランド人の生徒だけでなく、他のヨーロッパ諸国の生徒の率直な意見も聞くことができ、学問的に良い刺激になります。

9.ポーランド留学で注意すべき点

先述したように、ポーランドは留学先としてはまだかなりマイナーな国です。

そのためもあり、ポーランドへの留学に関する情報自体が少ない上、実際に住んで学生生活を送ってみないと分からないデメリットは多くは共有されていません。

今回は上記でご紹介してきたメリットだけでなく、ポーランドでの留学に関してデメリットとなり得る注意事項もきちんとお伝えしておきます。

①:デメリット① 色々な機会を逃しやすい

インターンシップ、アルバイト、イベントなどどうしても日本にしかない機会を逃さざるを得ないことが多々あります。

日本以外ならどこでも同じことが言えますが、非英語圏では現地語のネイティブでないと難しい機会もあります。

例えばアルバイトを例に挙げると、そもそもビザの関係で労働が禁止されていて現地での金銭の発生する労働ができない場合があります。

労働できたとしてもあまりスキルの身につかない仕事を選ばざるをえなかったり、応募要項に英語ネイティブなどの条件付きがあるなど、ハンデは挙げようと思えばいくらでも挙げられます。

就職活動(ここでは日本の就活だけではなく職探し全般を意味します)もしかり。

日本は基本3月卒業ですが、海外は6月~7月が卒業シーズンです。

卒業してすぐ働きたい人は、日本にいる学生よりも戦略的に、計画的に行動し続けていないと初めから希望の職には就けない可能性もあります。

留学先で現地採用されようと思っても、正直学部レベルの学歴では日本で働く時ほど良いポジションにつけない可能性が高いです。

同じ学歴で能力もまだあまり無いとなると、ビザ関係等でややこしい私たち外国人を採用するより、現地語ネイティブでビザの問題もない現地人を雇った方が会社的には負担が少ないですからね。

ただ、逆に自分で自分にしかできない機会を作ったり、現地でしかないイベントに参加できたりと、メリットにすることもできるので要は考え方次第だと思います。

②:デメリット② 情報の信ぴょう性がイマイチ

先述したようにポーランドに留学・進学する人はまだまだ英語圏や他の欧州諸国と比べて少ない為、どうしても得られる情報が限られています。

日本語の情報源の方が、日本人特有の現地での問題が分かりやすいのはしかり。

しかし、そこから得られる情報自体にバイアスがかかっていることがあるので、中立な立場の情報ではない可能性があります。

しっかり事前準備をしたつもりでも実際に住み始めると「あれ?聞いたことと全然違うぞ!?」「こんなことは予期してなかったな。

どこにもこんな情報なかったな」という状況に遭遇するかもしれません。

また、現地にも日本人が少ないことが多いので、学生ならではの悩みや問題を相談できる、一緒に解決してくれる人を見つけるのも一苦労です。

反対に、情報が限られているからこそ面白そう!日本人が少ないからこそ自分が前例になりたい!と、こちらも考え方次第でメリットにすることもできますね。

③:デメリット③ 英語もポーランド語も中途半端になってしまうかも

その人次第なのは大前提ですが、英語以外の言語が学びやすい分、「英語もポーランド語もバリバリ使えるようになるぞ~!」というやる気が裏目に出てしまう可能性があります。

非英語圏で英語を使う人の中にはSwear wordsと言って、Fuck you, Shit, Asshole(使わない方が良い言葉なので意味はご自分でお調べください)など、汚い言葉を不適切な場面でやたらめったり使ったり、Fuckingを名詞の前に付ければ格好いいと思って、不必要な場合にもSwear wordsを乱用したりする人がいます。

英語の映画やドラマでこのようなSwear wordsが乱用されている影響だと思います。

もしそういった人が周りにいる環境だと、それが当たり前になってしまい、おかしいと思わなかったり、そんな人がいない場合も、英語ネイティブは本来使わない言い回しを現地ではしていたり、ということもあります。

例えば、日本では ”I envy you.” と言う人が多いそうですが、私は英語ネイティブからそのような言い回しを聞いたことがありません。

どうしても、英語ネイティブでない人たちの英語には母語に影響された特徴が出易くなります。

また英語ネイティブに囲まれて行う授業と英語のレベルが全く違うことがざらにあります。

ポーランド語がの伸びしろについては、現地滞在期間中の意識と現地に来る前の準備次第が大いに関係あると思いますが、ビジネスで使えるレベルまでポーランド語が伸びない可能性もあります。特に私のように英語開講の授業しか取らない場合。

「将来現地語使う仕事するつもりもないし、日常会話レベルで使えればいいよ~」って方にはデメリットにならないと思います。

④:デメリット④ 大学の信頼度が曖昧

欧州の非英語圏の中でも、ドイツ、フランス、スイス、スペイン、イタリア、オランダ、スウェーデンなど特に有名な国以外は、「どこにあるの?」のような質問をされる立ち位置です。

ということは、そこにある大学は、はっきり言って「研究機関としても教育機関としてもどの程度のレベルなのか分からない」と思われることがあるかもしれません。

これをメリットにする考え方は、「大学のネームバリューに頼ることができないので、個の力をアピールする絶好のチャンスにする」です。

日本の企業様と話をさせていただくと、ネームバリューではなく、この個の力を見てくださる方が非常に多く、日本国内でポーランドの大学を出たからといって不利になった経験は聞いたことがありません。

ただ、(国によりますが)欧州やアメリカなど、日本よりも学歴社会で大学卒業後すぐに活躍したいと考えている場合には自分の学歴が不利になってしまう可能性が否めません。

⑤:デメリット⑤ ビザ関係がややこしい

東京にある駐日ポーランド共和国大使館で期限付きの学生ビザを発行することができますが、このビザは修学中3年、もしくは2年間ずっと有効なものではないため、期限が切れた後は現地で滞在許可の手続きをする必要があります。

この滞在許可の手続きがややこしい上、ポーランドの外国人局の仕事がお世辞にも早いとは言えないため、泣きそうな気持ちになることがあります。

幸いにも日本のパスポートを所持する人は日本ポーランド二国間協定が有効なので、90日を超えない日数でポーランドに滞在することができますが、これを留学生の身分で使い続けるのは、かなり神経をスリ減らします。本来は好ましくないことなので。

※日本ポーランド二国間協定に関しては、外務省や大使館に確認するなどし、ご自身で責任を持ちましょう。

▶ポーランドの魅力とワーキングホリデー情報【ビザ・費用・準備】

10.まとめ

以上、ポーランドへ大学留学して良かったこと7選を上げてみました。

個人的には最後の「ポーランド、ヨーロッパの歴史・文化・政治を肌で感じることができる」はポーランドへ実際に来てみなければ分からなかったことだと思います。

日本へ一時帰国する度に友人や家族とポーランド、ヨーロッパの状況について話しますが、その度に、留学先にポーランドを選ぶという決断は間違っていなかったと確信することができます。

留学先としてはマイナーな国ということもあり、情報不足や日本とは異なる制度にやきもきさせられる時もありますが、まだマイナーな国だからこその魅力の方が多いです。

この記事が、皆さんのポーランド留学への一歩を踏み出すきっかけになれば何より嬉しいです。

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