「フランス語を学ぶ」、そう考えた時に多くの人が、フランス留学を考えるのではないでしょうか?実はフランス語はカナダでも習得することができるのです。それはカナダの公用語が「英語」と「フランス語」だから。
ここではフランス語をカナダで学びたい人のために、「カナダの公用語が英語とフランス語になっている理由」「フランス語をカナダで学ぶことのメリット」「カナダで話されるフランス語のなまりについて」「フランス語の語学学校」「フランス語が活かせる職業」「フランス語が活かせる業界」を紹介していきます。
フランス語だけを学びたい、英語とフランス語を学びたいなど、その学びたいと思った「今」を大切にして、さっそく行動を起こしてみましょう。
1. カナダの公用語は「英語」と「フランス語」
「カナダの言語は?」と聞くと多くの人が、「英語」が真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか?ですが冒頭で触れたように「フランス語」はカナダでは第二言語として公用語になっています。
カナダ人の25%は第一言語がフランス語。政府関係の仕事に就くためには英語とフランス語がバイリンガルであることは必須条件になっているほどです。
それは、もともとカナダには、英語系とフランス語系移民の2つの拡大した勢力があり、その双方に配慮した結果、第二言語としてフランス語も使われるようになったという歴史上の背景があるからです。(出典:ウィキペディア「ケベック州歴史」)
もう少し詳しく説明すると、カナダのセントローレンス川には17世紀、多くのフランス人が移り住みました。目的は入植という農業や酪農を行なって生活する土地を開拓するためです。
そして、同じ時期に世界では、植民地をめぐりイギリスとフランスの対立が続いており、北米戦争でフランス軍が敗北。パリ条約でカナダのケベック州が植民地になりました。それらのことが理由で、カナダでは「英語」と「フランス語」が公用語として使われるようになったのです。
2.カナダでフランス語留学をする 5つのメリット
「フランス語を学ぶなら、本場のフランス留学のほうがいいのでは?」という声も聞こえてきそうですが、カナダで学ぶことに、多くのメリットがあるのです。ここでは、5つのメリットを紹介します。
①:州を選べば日常会話にフランス語を使うことができる
1の項目で紹介したように、歴史上の理由からカナダのケベック州ではフランス語が公用語になっています。今でもフランス語を話す人が多く住んでいます。そんな恵まれた環境ですので、日常会話でフランス語を使うことができるのです。
そして語学を習得する時に大切なのが、いかに習った言葉を口にする機会を作るか、ということです。私達が自然に使いこなしている日本語も、使う、間違える、直す、を無意識に繰り返し、話せるようになっています。ほかにも、日本語以外の言語を学んだ経験がある人は分かると思うのですが、学んだ言葉を一度でも口に出すことで、覚えることができます。
日常で習った言語を使える機会があればあるほど、結果、多くの語彙や文を習得することができます。しかも、状況に合った表現を覚えることができますので、とても自然なフランス語を学ぶことができます。
②:英語とフランス語が通じる
1の項目で、カナダには、英語とフランス語を話せる人が多くいることを紹介しました。そんな環境なので英語も学んでいる、英語は問題なく話せる人にとって嬉しいのが、ふたつの言語が通じること。レストランなどの身近な場面で、習いたてのフランス語が通じない、そんな時は英語に切り替えて話せば通じるのはいい環境ですね。
そして、日常にふたつの言語を使うことができますので、学んだ言語を忘れることもありません。語学を学ぶ人にとっては大きなメリットといえます。
③:治安がいい
カナダは、世界のなかでも治安がいい国として上位にランキングされている国です。日本とほぼ同じように生活できるくらい安全な国です。もちろん海外ですので、自分の荷物には常に注意をはらっておく、というのは基本ですが。
そのほか、危険な地域に近づかない、夜遅くには出歩かないなどの基本的なことさえ守ればトラブルに巻き込まれることもありません。
そしてアジア圏の移民が多い国ですので、食事もアジア人に合うものが多いことも安心できます。野菜、果物は安いですし、お肉、お魚も日本と比べると少し高いですが、身近に手に入れることができます。
④:日本人が少ない地域がある
フランス語が、公用語になっているケベック州のモントリオールやケベックシティは、留学生が多いといわれるカナダでも、留学先に選ばれることが少ない地域です。そのため日本人が少ない都市なのです。
この「日本人が少ない」という環境は、語学を学ぶうえでは非常に恵まれた環境です。留学に行ったのに話せないままに帰国、そんな人の多くが留学先で日本人同士と過ごし日本語を使っていた結果、語学力が向上しなかったことを理由に挙げています。
あえて日本語を使わない環境に浸る、この選択は語学を学ぶうえでは有効な選択といえます。ただし、モントリオールやケベックシティには近づいてはいけない、といわれる地域もあります。日本人が少ないだけにそれだけは気をつけましょう。
⑤:ワーキングホリデービザで滞在中に働くことができる
最後のメリットは、18歳~30歳であればワーキングホリデービザが取得できる国であることも挙げられます。取得すれば滞在中に働くことができますので、職場の同僚やお客様などフランス語を使って仕事も経験することができます。ビジネスで用いるフランス語も、収入を得ながら、学ぶことができるのです。
ほかにも、留学先のカナダで働くことのメリットに、現地の人とコミュニケーションがとれることがあります。一緒に働くことでお互いによく知ることができますし、連帯感も生まれます。留学というチャンスを活かし、そういった経験もしてみてはいかがでしょうか。
参考までに、カナダの最低賃金を紹介します。州によって違いますが、2017年4月現在(1カナダ$83.99円で換算)だとカナダ全体は880~1,090円。多くのフランス語の語学学校があるケベックシティだと903円。そのほかアメリカ合衆国と接するカナダの南および西の地域だと、880~1,024円くらいです。(出典:Rtail Concil of Canada公式ホームページ、「Minimum Wage by province」:カナダの州ごとの最低賃金)
そしてカナダで働いた経験は、フランス語を使って仕事をすることができる能力を示すことができます。将来フランス語を活かした仕事に就きたい、と考えた時には特に有利です。
3.州によってなまりが強いカナダで話されるフランス語
1の項目で触れたように、歴史上の背景から、フランス語はカナダの公用語として使われています。ですが、カナダにいる全ての人が、フランス語を話されるわけではありません。使われ方が州によって違うのです。
フランスの植民地になったケベック州ではフランスが公用語になっていますが、他の地域では英語とフランス語、英語のみが公用語という州もあります。
そしてフランス語が公用語のケベック州で話されるフランス語は、「ケベックワ」と呼ばれています。そのケベックワの「アクセント」や「語彙」は、本場フランスと比べると大きく異なり、時には通じない、ということもあるそうです。
でも、これはあくまでも日常的にフランス語を使う時の話です。カナダの語学学校で習う時には、本場のきれいなフランス語を学ぶことができますので、日常会話として用いる時にはそんな違いがあることを知っておいて下さいね。
4. カナダにあるフランス語の語学学校
これまでに述べたように、カナダはフランス語を学ぶのに最適の国です。ここではフランス語の語学学校を大きくふたつに分けて紹介します。ひとつは、「フランス語コースを提供している学校1校」、もうひとつは「英語とフランス語の両方が学べるコースを提供している学校3校」です。学校選びの参考にして下さいね。
①:Ecole Quebec Monde/エコール・ケベック・モンド)
FRENCH IMMERSION QUEBEC CITY
Come to learn French with École Québec Monde right in the heart of Quebec City. Our French courses in Quebec City will allow you to learn French and discover our great capital at the same time. A enjoyable French immersion experience.
おすすめのフランス語コース
Intensive Frenchコース/1週間~48週間コース、週単位20時間、レベル初級~上級まで6段階)
アットホームな雰囲気を持つEcole Quebec Mondeは、フランス語の語学学校です。アメリカや南米から退職後にゆっくり勉強したい、という目的を持つ多くの人に選ばれる人気の学校です。
学校は、ダウンタウンの図書館の目の前にあるという便利な環境に位置しています。日本人があまりいない国際色豊かな環境。母国語の日本語を話す機会がありませんので、フランス語を集中して学ぶ、使うことができます。クラスは少人数制で平均6名、最大8名。フランス語の読み、書き、話、聞く、の4つの能力を経験豊富な講師から指導を受けることができます。
フランス語のなまりが気になる人も心配はいりません。インターナショナルフレンチで授業は行われますので、フランス語を話す国々の標準となるフランス語を学ぶことができます。授業では、フランスの言い回しとケベックの言い回しについても説明してくれます。語学以外の日常生活でのフランスとケベックの違いも学ぶことができます。
滞在方法は、留学生も安心して滞在生活を楽しむことができるよう、ホームステイプログラムに力を入れています。フランス人の教師へのホームステイも可能。カナダにいながらフランスの日常生活を体験、なまりがなりフランス人教師と常にフランス語で会話をすることができます。ほかの学校では手に入れることができない環境の中で生活し、フランス語を学ぶこともできるのです。
②:BLI/ビーエルアイ
BLI Language Schools: Learn English or French in Canada
BLI will help you learn English or French through the communicative approach in a friendly environment. BLI language schools are both located in the central areas of Canada’s unique and captivating cities: Montreal and Quebec City. All our staff is qualified, friendly and helpful.