私お知り合いに保育士や幼稚園の先生がいます。仕事の内容や毎日の生活ぶりを聞いてみると、思いのほか「子供が好きなだけではやっていけない」ということがわかりました。保育士や幼稚園の先生になるためには資格が必要で、子供心理や学年にあった教え方、音楽やツールを使った授の進め方など、学ぶことは多岐に渡ると言います。
将来、保育機関で働くことを希望している人は思いますが、日本国内での就職ばかりではなく、海外にも目を向けている人もきっと多いはずです。ここでは、ニュージーランドへの保育留学について、おすすめの留学プログラムと現地で取得できる保育資格について解説しています。留学プランの参考にしてみて下さい!
1.自由が特権?ニュージーランドの保育事情
まず、ニュージーランドで保育を学ぶ上で知っておきたいことをご紹介しましょう。
「テ・ファリキ」という教育指針
ニュージーランドの幼児教育の中心となっているのが「テ・ファリキ=Te Whariki」です。ニュージーランドは子供の育成に関して高く評価されている国の一つで、世界的にも「子供の個性を生かす教育」を実践していることで知られています。テ・ファリキの基本概念は、子供の個性を認めるところから始まります。
1996年から正式に導入されたテ・ファリキは学校での成績に関わる読み・書き・運動能力などで点数を決めるのではなく、子供たちの輪の中で、いかに社会的・文化的な学習ができるか、また友達や先生、周りの人々との素晴らしい関係を築くことができるか、に焦点を置いています。
ニュージーランドは多文化・他民族の移民国家であるため、国内で平和に生活をしていくいは、それぞれの文化や伝統、習慣や教えを尊重し受け入れることが必要です。どの国の文化が正しくて、どの国の文化が間違っているという考えはタブーであるということです。
テ・ファリキのコンテンツは「子供たちが健康で幸せであること」、「家族に守られているということを感じること」「社会に貢献することで価値を見出すこと」「それぞれの文化や言語を維持すること」「多くを経験し学ぶこと」が挙げられます。
他人と異なることを堂々とする子供たち
日本をはじめ、アジア諸国からニュージーランドに移住してきた人は、子供を国内の保育園や幼稚園に入園させた後、ビックリすることがあるそうです。それは「あまりにも自由過ぎる!」「子供たちが勝って気ままに遊んでいるように見える」ということです。
日本の幼稚園を例に見ると、子供たちが輪になって手をつなぎお遊戯をしている姿、机に座って絵や文字を書いている姿など「協調」「輪」という言葉が頭に浮かぶ光景が浮かびますよね。少なくとも、自由時間を除いては好き勝手に遊んでいるという風には見えません。
しかしながら、ニュージーランドの幼稚園では子供たちは自由気ままに遊んでいるように見えるので、「本当に勉強しているのかな?」と親御さんは心配になるそうです。
ニュージーランドではテ・ファリキに概念をもとに、「他人と異なることをしても大丈夫」「自分のやりたいことを優先させる」という幼児教育の考えが根底にあります。そうは言いながら、先生や保育士たちは、一人一人の個性を理解したうえで、それぞれの行動をしっかり見ているので安心です。よく見ると、子供一人一人にあったアドバイスをしています。
2.ニュージーランド留学で保育園・幼稚園のボランティアをするメリット
ニュージーランドで保育関連の仕事を希望するなら、ぜひボランティアから始めてみましょう。将来的にはプラスの選択ですよ。
まず、現地保育の様子を観察することができる
日本で一般的に行われている保育スタイルとニュージーランドの保育スタイルは異なる点がいくつかあります。ニュージーランドの保育園や幼稚園で働いていると、保育の基本、子供たちの接し方、子供の親との接し方など、「あれ、ちょっと違うな?」と感じることもあるでしょう。
ニュージーランドの保育の姿を視察、観察するという意味でも、ボランティアから始めるのは最良のスタートだと言えます。ボランティアを通して保育の現状をみながら体験できるのは大きなメリットです。ニュージーランドの子供たちは日本の子供たちに比べて自由でやんちゃ!自分が最良と思っていた保育スタイルにコツや感などをどんどん足していきましょう。
白紙から信頼関係を築くことができる
ニュージーランドで就職するには、ある程度の経験や経歴が必要です。日本で保育士としての就業経験がある人も、そうでない人も、ニュージーランドでのボランティア経験は就職のチャンスをものにするための強い武器になります。
「収入が得られないから、ボランティアはちょっと…」という人は、これからの長いニュージーランド生活を視野に考えるべきです。1年程度の保育ボランティアで、園長やスタッフとしっかり信頼関係を結ぶことができるなら、その価値は十分あると言ってもよいですよね。
コネがすべてではありませんが、異国の地では「信頼」を築くことで得られるメリットはたくさんあることを理解しておきましょう。
3.ニュージーランド保育に関する留学プログラムの例【費用の目安もあるよ】
それでは、さっそくニュージーランド保育留学のおすすめプログラム例をご紹介しましょう。
語学学校+保育園・幼稚園ボランティアプログラム
語学学校に通いながら、ローカルの保育園や幼稚園でボランティアとして経験を積むことができるプログラムです。
2週間 | 200,000円 |
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4週間 | 280,000円 |
8週間 | 450,000円 |
オペア・プログラム
ワーキングホリデービザで参加するオペア・プログラムです。オペアは個人宅に滞在しながら、子供の世話をする仕事で、通常、宿泊費と食事代がかからないのが特徴です。家族やプログラムによって、また働く時間によって週150ドル~250ドル程度のお小遣いがもらえる場合もあります。
※1年 | 240,0000円程度から |
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※ニュージーランドでは子供を保護する規定が厳しく、チャイルドケア、保育園、幼稚園、小学校、高校、スポーツチームのコーチなど、子供に接する仕事に就くには「無犯罪証明」の提出が求められます。
4.おすすめ!保育関連のコースが有名な学校
最後に、ニュージーランドで保育関連の資格が取得できる学校をご紹介します。
Whitireia New Zealand Plytechnic
Whitireia New Zealand Plytechnic
Whitireia New Zealand is a government owned and funded tertiary institute of technology, known for its high student success rate and culturally diverse student body.
オークランドやウェリントンにキャンパスのある学校です。Diploma in Early Childhood Educationの資格が取得できます。マオリやパシフィックアイランド独特の文化を受け継ぐ子供たちへの教育について学ぶことができるカリキュラムが人気です。
English Teaching College
English Teaching College
ETC is a friendly multicultural language school with a record of academic excellence. ETC has three campuses in Palmerston North, Lower Hutt and Wellington.
パーマストン・ノースやウェリントンにキャンパスのある学校です。英語クラスとデミペア(ベビーシッター)のトレーニングがセットになったコースがあります。期間は12週間で3770ドル、24週間で6880ドル、36習慣で9650ドルです。
尚、分からない部分は当サイトのカウンセラーがお答えできますのでお気軽にお問合わせください。
いかがでしたか?世界には本当にたくさんの数の子供たちがいます。そして、その全員に共通するのは「くったくのない笑顔」と「教育を受ける義務がある」ということでしょう。保育士や幼稚園の先生は、そんな子供たちが健康でたくましく成長するためにしっかりと支えていってあげる能力と知識が必要です。
テ・ファリキに代表するニュージーランドの幼児教育は自由ながらも個性を受け止めた素晴らしい幼児教育です。日本の幼児教育も素晴らしいですが、個性を最大限に伸ばそうとするニュージーランドの幼児教育からも学ぶ点も多いのではないでしょうか?
ニュージーランドの子供たちはとにかくタフ!擦り傷2,3個ぐらいなら笑い飛ばすほどの強靭振りです。精神力の強さは、子供たち一人ひとりの性格を大人が受け止めてあげるところから生まれる自信の表れでもあるかもしれませんね。